愛し合う2人が夫婦の誓いを交わす結婚式。家族や親族、友人などに2人を“お披露目する場”となる大事な儀式だけに、式を終えた直後はホッとして脱力するカップルも多いのではないだろうか。長い緊張から解き放たれた新婚初夜、2人で築いていく未来に胸を膨らませて、幸せな気持ちに包まれているはずなのだが、米国のあるカップルは結婚式を挙げた当日の夜、会場となったチャペルに強盗に押し入り、目撃者の通報で結婚1日目にして逮捕されてしまった。

このとんでもない行動をしたのは、テネシー州ノックスビル近郊にあるリゾート施設のチャペルで、10月7日に結婚式を挙げた21歳の新郎と24歳の新婦のカップル。午後2時から式に臨んだ2人はリゾート施設内に宿泊施設で夫婦最初の夜を過ごすかと思われたが、若い彼らは何を思ったのか、夜中に自分たちの式を挙げたチャペルへと向かう。

米地方紙セイモア・ヘラルドによると10月8日午前1時頃、2人は車をチャペルの駐車場に停めて事務所に侵入。現金500ドル（約4万5,000円）が入った金庫を盗み、そのまま逃走した。このとき施設の従業員が車を目撃し、2人が消えた後に事務所の中を確認ところ、金庫が盗まれていることが判明。すぐに警察へ通報となった。米地方紙ノックスビル・ニュースセンチネルによると、従業員は式を挙げたばかりの新婚夫婦を覚えており、撮影された写真も残されていたため、これが犯人特定の決め手になったという。

そして保安官が近辺を捜索した結果、リゾート施設近くの街ピージョンフォージにあるレストランで2人を発見。お金を抜き取った金庫はコンビニのゴミ箱に捨ててのんきに食事をしていた夫婦は強盗の罪を認め、刑務所へ送られることになった。

この事件に、チャペル関係者の心境は複雑な様子。「どうせ彼らはハネムーンに行く予定だったんだろうから、刑務所はハネムーンスイートを用意する必要があるかもしれない」（ノックスビル・ニュースセンチネル紙より）と皮肉るとともに、「（チャペル側から2人の）結婚許可書は提出しなければいけないと弁護士に言われた」（同）と、ためらう気持ちも垣間見せている。