事件や事故などの緊急事態発生時に利用される緊急通報用電話番号の110番。中国も日本と同様に、110番が公安の緊急通報用電話番号になっているが、このたび、その110番通報を処理する部署の内部写真が流出し、問題となっている。緊急通報を処理する部署だけに、張り詰めた雰囲気が漂っているイメージを抱きがちだが、実際にそこで働く警察官の緊張感はそれほどでもないようだ。

流出した写真は、ある公安局の指揮中心（日本で言う通信司令室）で撮影されたもの。写真が流出した経緯は明らかにされていないが、公安関係者と思われる人物によって撮影され、本人もしくはその身近な人物によりネット上にアップロードされたようだ。

流出した写真にはモニター前で頬杖をついたり指をくわえたりしている警官、モニター上の通報情報、胸の前にボードを抱えて冗談めかしく微笑む女性警官、耳の上にタバコをのせて電話応対する警官、おかしな顔をしてケータイカメラで自分撮りする警官などが映っており、全体的に110番通報を処理する指揮センターとは思えないほどの“ゆるい”雰囲気が漂ったものとなっている。

これらの写真がネット上に流出するや否や、掲載された中国のウェブサイトは炎上。さまざまなサイトに転載され、あるウェブサイトの書き込み欄には150件以上のコメントがつき、「人民の税金を使ってこの有様か」「吐き気がする」「これではアルバイト警備員と同じ」などといった批判意見が書き込まれる事態となった。

中には「警察も人間。ときにはこうした写真を撮るのも良いじゃないか」「俺たちの仕事風景と同じだろ」とする同情的、客観的意見も見られるが、規律を重んじるべき警官という立場だけに、中国人たちの怒りは収まらない模様。また、「彼らは正式な警官ではない学生の身」とする“内部事情に詳しい人物”からのコメントも見られるが、現時点ではまだ、真相はわかっていない。