拾った指輪でローンが消えた、正直に持ち主へ返した大学生に謝礼1万ドル。

2009/10/13 08:51 Written by Narinari.com編集部

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注意しているつもりでも、何気ないときにやってしまうのが落し物。値段がいくらだったかに関わらず、意図せずに無くしてしまうのは悔しいものだ。一方、他人の落し物に出くわしたときには、持ち主のもとへ返るように、きちんと警察に届けるのが人の道。海外では持ち主を自ら探すという行動もよく聞かれる。米国のある大学生は、自分が拾った指輪の持ち主を探していたところ、持ち主が新聞の取材に答えている記事をたまたま発見。すぐに連絡を入れて返却すると、感激した持ち主から1万ドル(約90万円)の現金を謝礼で渡され、大喜びだという。

米地方紙バージニアン・パイロットによると、この出来事の主人公、ジェレミー・マッキントッシュさんは米東部バージニア州でクリーニング屋のアルバイトをしている22歳の大学生。マッキントッシュさんは数週間前、バージニアビーチの駐車場で指輪を発見したという。それは、ダイヤモンドにプラチナ、エメラルドも散りばめられた15カラットの立派なもので、落とし主が9万6,000ドル(約860万円)を出して、昨年ニューヨークで購入した指輪だった。

マッキントッシュさんは指輪を見つけたとき、「美しい」と感じたというが、あまりの立派さに「偽物だろうと思った」(バージニアン・パイロット紙より)と、その価値には気付かなかったそうだ。しかし、大事に家へ持って帰ったマッキントッシュさんは、指輪をテーブルや額縁の裏に保管。ときどき、自分の指にはめては見たものの、自分の物にする勇気がなかったというマッキントッシュさんは、インターネット上の地域コミュニティサイトなどを検索し、持ち主が探していないか情報を集め始めた。ただ、それらしい情報が一切見つからず、マッキントッシュさんは「なぜ持ち主が探していると知らせないのか」と、不思議に感じていたそうだ。

すると、10月8日付のバージニアン・パイロット紙を読んだマッキントッシュさんは、ジェームズ・ラムジーさんという男性がそれらしい指輪を探しているとの記事を発見。すぐに連絡を入れ、指輪は無事ラムジーさんのもとへと返った。

指輪をなくしたラムジーさん、実は9月中旬頃から見当たらないと探し続けていたそう。ラムジーさんが特別お気に入りだというこの指輪、外すのは台所で作業をするときだけで、その際にはカウンターのボウルの中にしまっておくのが常だった。ところが、ある日ボウルにあるはずの指輪が無くなっていることに気付いたものの、家中探しても見つからない。どこか別の場所にしまったか、それとも以前携帯電話をゴミと一緒に捨ててしまった娘がどこかに隠してしまったのか、しばらくは自力で探していた。

しかし、あまりの見つからなさに業を煮やしたラムジーさんは、盗まれた可能性も考えて、最近になって警察に相談。そこで、バージニアン・パイロット紙の取材に答えたというわけだ。この中で「宝石と腕時計が大好き」と話したラムジーさんは、もしもきちんとした人が拾って返してくれたら「1万ドルを出す」と約束していた。37歳のラムジーさん、現在の年収は2万4,000ドル(約215万円)程度だが、「数年前に経営していた会社を売却してセミリタイアの状態」ともされており、余裕のある生活を送っているようだ。

そして新聞に話題が掲載された10月8日、連絡をもらったラムジーさんは、急いでマッキントッシュさんの職場へ向かい、無事手元に指輪が戻ることになる。ラムジーさんの推理では、彼のフィアンセがクリーニング店を利用しており、ジャケットかズボンに入っていた指輪が落ちたのではないかとのこと。

報酬の1万ドルを小切手で渡すか現金かと聞かれ、「現金で」と答えたマッキントッシュさんには、100ドル札が詰まった封筒が渡された。受け取ったマッキントッシュさんはそのまま銀行に向かい、大金は2週間前に買った中古車のローンの返済でほとんど消えるという。少し残るお金は、「新しい靴を買って、友だちをディナーに連れて行こうかな」と語り、思わぬ収入にホクホクのようだ。

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