かわいくてアレルギーも少ない、英国で「マイクロブタ」の人気上昇中。

2009/10/09 15:11 Written by Narinari.com編集部

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激しく吠えることもなく、愛嬌があり、比較的手がかからないと話題になり、ひと頃ペットとして飼う人が増えたミニブタ(ポットベリーなど)。しかし、実際はその名称からイメージする“小さなブタ”とは異なり、成長すればそれなりに大きくなることが知られるようになると、日本では次第に話題になる機会が減ってしまった。でも、英国ではいま、ミニブタよりも小さく、体長40センチほどで成長が止まるという、品種を掛け合わせて生まれた「マイクロブタ」の人気に火が付き始めているようだ。

英国で「Little Pig Farm」を経営するジェーン・クロフトさんは、「マイクロブタ」を販売している生産者。まだ「マイクロブタ」の生産を始めて5か月ほどだが、すでに反響は大きく、注文が殺到して予約待ちの状態が続いているという。映画「ハリー・ポッター」シリーズにロン・ウィーズリー役で出演した俳優ルパート・グリントも2匹購入したそうだ。

英紙デイリー・テレグラフは、「マイクロブタ」は約250グラムほどの大きさで生まれ、2歳までに成長が止まると紹介している。個体差はあるが、成長しても体長は約30〜40センチ、体重は18〜30キロほど。また、寿命は18年程度と長く、クロフトさんは「犬や猫に比べて多くの点で問題が少ない」(デイリー・テレグラフ紙より)と特徴をいくつか挙げている。

そのひとつが、世話をあまり必要としないこと。知的で、あまり騒がないどころか「散歩させる必要もない」(デイリー・テレグラフ紙より)という。また、犬や猫の場合、アレルギーの問題を抱えているが、豚の場合はふさふさな毛に覆われておらず、皮膚も人間のものと似ていることから、あまり心配する必要がないそうだ。そのため、「こうしたアレルギーを持った子どものために、多くの親が買っていった」(同)とクロフトさんは話している。

気になる価格は、195ポンド(約2万7,000円)から700ポンド(約10万円)。農場にはメールやサイトなどを通じて多くの問い合わせが寄せられ、英国以外にも米国やロシア、スペイン、オーストラリアからも電話がかかってきたそうだ。

ただ、飼うためにはいくつかの条件も。米ニュースサイトMSNBCでは「英国内では豚は家畜のため、飼うのに認可が必要」と説明している。また、クロフトさん自身も購入の際に、「豚は高い知性があるので、すぐに退屈になってしまう」ため、購入者に対し「常に家にいる」「庭を持っている」などを確かめるそうだ。また、同じ理由から、2匹1組での販売にしているという。

「マイクロブタ」の人気はクロフトさんにとって嬉しい悲鳴でもあるが、問題は個体数の確保。クロフトさんは現在、1日14時間作業をしているものの、1週間に販売できる数は5匹から10匹と少なく、今購入を申し出ても「長い予約リスト」に追加される状況だ。

日本や米国では動物実験用に「マイクロブタ」が活用されているが、少なくとも英国では「マイクロブタ」にペットとしてのニーズが高まっている。この人気がほかの国にも飛び火するのか、動向に注目しておきたいところだ。

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