小遣い稼ぎのため? 道路に「私設料金所」を設置して料金徴収する人々。

2009/10/05 22:31 Written by Narinari.com編集部

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中国には世界の有料道路の約7割が存在していると言われているが、物価水準と比べて通行料が高いという特徴がある。そのため中国では通行料を支払わずに済むように、“抜け道”を利用するドライバーが多いのだが、今回、そんな中国のドライバー心理を利用した違法ビジネスが報じられた。村人たちが“抜け道”に勝手に料金所を作り、通行料を徴収していたという。

料金所が設けられていたのは、中国吉林省にある金珠村。料金所は泥で築かれた簡素なもので、1本の縄がゲート代わり。道路上には合計3箇所の料金所が設けられており、いずれの料金所にも必ず村人が徴収員として常駐し、交代で通行料を徴収している。

この道路では1箇所の料金所につき通行料2元(約30円)を支払うシステムとなっており、道路を抜けるためには2箇所の料金所で通行料を支払わなければならない(3箇所中2箇所で通行料を支払えば、別の1箇所は無料で通行できる)。また、タクシーであろうと自家用車であろうと、村人がこの道路を通行する場合には無料で通行でき、通行料はあくまで“よそ者”だけに課せられるらしい。

村人の話では、この料金所を設けたきっかけは「昔から近くにある料金所の“抜け道”としてこの道路を利用する車が多く、その結果道路が壊れてしまったため、料金を徴収し始めた」(中国ニュースサイト吉林網より)とのこと。とは言え、通行料収入は道路を管理している村人たち(家族)で分け合っているので、実際は「道路修繕」を謳った単なる金儲けといったところのようだ。

もちろん、こうした行為は違法。吉林省のある弁護士は「仮に村人たちが道路を修復するとしても、個人でこうした料金所を設けることは違法であり、通行料を支払う義務もない」(同)と話している。

なお、中国では「私設料金所」に関する話題や、正規料金所で通行料を支払わないドライバーの素行不良が報道されることもしばしば。また、国が禁じている場所に「正規料金所」を掲げた料金所を設けて、通行料を不正徴収するケースも跡を絶たないようだ。

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