中国のホワイトカラーを襲う新種の「病」、保密焦慮病ってなんだ?

2009/09/25 12:23 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


会社の機密事項や同僚にまつわる秘密を聞かされた際、あなたならどのように対処するだろうか。聞かされた内容にもよるのはもちろんだが、頑なに秘密を守り通すか、本当に信頼できる友人や家族にだけ話すか、それとも見境なく多くの人に暴露してしまうか。その対処法はさまざまだろう。中国では最近、白領(ホワイトカラー)の間で、こうした秘密を聞かされて頭を悩ます不思議な病「保密焦慮病」が流行っているという。中国のポータルサイト「捜狐」のアンケートをもとに実情を探ってみた。

「保密焦慮病」とは、直訳すれば「秘密を恐れる病」といったところだろうか。中国のインターネット事典「互動百科」では、「都市部のホワイトカラーに見られる新しい病気で、会社内の機密事項と個人のプライバシーに関わる問題について『秘密を守ること』を意識するあまり、落ち着かず不安になること」と説明されている。「保密焦慮病」になる原因としては、上司や同僚などから「他の人には内密に」と告白されたことで心理的ストレスが増すためだという。

現在、「保密焦慮病」は中国のネットユーザーの間で関心を集めており、新聞やニュースサイトで紹介されることもしばしば。そのひとつ、ポータルサイト「捜狐」で行われた「保密焦慮病」に関するアンケート「会社内で秘密を聞いたこと、話したことがあるか?」では、「よくある」と「ある」との回答が全体の約85%を占めた。反対に「まったくない」と答えた人はたったの5%。それだけ多くの秘密が“流出”しているということなのだろう。

会社内で聞かされる秘密としては「他人の欠点」「内部抗争」「個人のプライベートにかかわる問題」が多く、「どんな秘密を聞かされると不安や焦りを感じるか?」という質問には「会社の待遇調整(給料や福利厚生など)」「人事異動」「内部抗争」がトップ3となっている。これらは個人に大きく関わる問題だけに、それだけ秘密を聞かされた側の悩みも深いのかもしれない。

こうしたアンケート結果を受け、ある心理学者は「保密焦慮病」を防ぐためには、「会社の機密事項や個人のプライバシーにかかわる秘密を自ら避ける」(信息時報より)ことを推奨している。一般的に人は秘密を守ることが苦手で、他人に秘密を話すことでリラックスした状態を保てるもの。そのため、守らなければならない秘密が多ければ多いほど「保密焦慮病」を患う可能性は高いというわけだ。また、この心理学者は、仮に秘密を漏らしそうになった場合は一瞬立ち止まり、「秘密を守ることは責任であり、秘密を漏らした後にはどのような結果が自分を待ち構えているか」(同)を冷静に判断することが大切だとクギも刺している。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.