結婚式の2日前に中止を通達されたカップル、その理由に同情の声も。

2009/09/16 13:13 Written by ナリナリ編集部

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結婚の約束を交わしたカップルにとって、結婚式は大事なセレモニー。その直前ともなれば、不安や緊張感を抱きつつも、期待に大きく胸膨らませることだろう。英国のある若いカップルも、9月上旬に結婚式を挙げる計画を立て、2人で準備を整えながら当日を楽しみにしていた。しかし、式のわずか2日前に、ソーシャルワーカーが「女性は結婚を理解していない」と結婚式の中止を通達。実は、女性には軽い知的障害(※17日午前2時訂正 「learning difficulties」は、同じ英語圏でも米国などとは異なり、英国では知的障害の意味で使われるとのご指摘をいただいたため、表現を改めました。お詫びして訂正いたします)があるためソーシャルワーカーが付いていたのだが、この行動に、ネットでは「やりすぎだ」との批判の声が挙がっている。

このカップルは英スコットランド・ダンファームリンに住む、25歳のマーク・マクドゥーガルさんと17歳のケリー・ロバートソンさん。2人は今年1月に出会い、ロバートソンさんが妊娠したのをきっかけに結婚の約束を交わした。4か月前には同棲を始め、9月5日に予約した教会での結婚式に向け、幸せな生活を送ってきたそうだ。ところが9月3日、ウェディングドレスや指輪も用意して、2日後に迫った結婚式の最終準備をしていた2人のもとに、玄関のドアを必死に叩く“招かざる訪問者”がやってくる。

家を訪れたのは、2人のソーシャルワーカー。彼らは突然「彼女は知的障害で結婚を理解していない。だから結婚は違法だ」(英紙デイリー・メールより)と通達し、結婚はできない旨を告げた。スコットランド法には「どちらか、もしくは2人とも結婚制度を理解するための精神的な能力が欠如していると認められる場合、結婚を受け付けない可能性がある」という決まりがあるそうだ。

ロバートソンさんは、両親が育児できない状態だったために、生後9か月から社会福祉サービス部の保護を受けながら祖母のもとで生活をしていた。さらに、彼女が軽い知的障害を持っていたことから、ソーシャルワーカーが付いていたという。その結果、「ロバートソンさんは結婚を理解できていない」と判断され、結婚中止の通達が出されたということらしい。

突然の通達に号泣したロバートソンさんは、「私は結婚がどういうものか分かっている」「私はマークを愛しているし、彼と結婚したい」(デイリー・メール紙より)と、戸惑いを隠せない。一方のマクドゥーガルさんも「僕たちは互いに愛し合っているし、結婚していないカップルの子どもとして生まれてほしくない」(同)と、妊娠5か月に入った赤ちゃんへの思いを告白している。しかし、ソーシャルワーカーとの話は平行線をたどり、現在結婚が許可されるかは心理学者による面談の評価にかかっているそうだ。

怒りの収まらないマクドゥーガルさんは「彼女があまり勉強ができないというのは本当」(同)と知的障害が見られるのを認めつつも、「彼女は愛情あふれる人で、読み書きは上手くないかもしれないが、努力して学校にも通った」(同)と弁護。また、結婚を決めた時にはソーシャルワーカーらが「喜んでサポートするとも言った」(同)と話し、突然意見を変えた社会福祉サービス部に納得がいかないようだ。

これに対し、社会福祉サービス部側は「守秘義務の関係上、個々のケースについて話せない」(同)と、コメントを拒否している。しかし、この話題を伝えたデイリー・メール紙には、社会福祉サービス部の対応に疑問を感じるネットユーザーから多くの意見が寄せられた。

「2人が愛し合い子どももできたのに、なぜ結婚できないのか」「彼らに問題ないのに、彼女の知的障害を盾に結婚式を止めるのは間違い」と、そのほとんどがカップルへの同情を示す内容だ。中には「古い体質の社会福祉サービス部は、弱い相手を見つけて攻撃する」「『個々のケースについては話せない』とは便利な言い訳」と、社会福祉サービス部の体質を疑問視する意見も。また、米国やオーストラリアを始め、中東、アジアからの意見も見られ、どの国の人も「おかしな話」と理解に苦しんでいるようだ。

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