英国で最も有名なUFO事件は間違い? 「自分の仕業」と告白する男が現る。

2009/09/08 12:33 Written by Narinari.com編集部

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昨年、今年と目撃件数が急増している英国のUFO事情。最近は英国の新聞やテレビといったメディアでも目撃情報が頻繁に取り上げられ、ネットユーザーの間では、その正体を巡って熱い論議が交わされている。そんな英国の“最も有名なUFO事件”として知られ、“英国のロズウェル”とも呼ばれている1980年の「レンデルシャムフォレスト事件」をご存知だろうか。駐留米空軍の兵士たちが多数目撃する中で起きた出来事で、メディアや専門家も騒然とした謎の事件なのだが、それがこのほど、66歳の男性が事件を「自分の仕業」と名乗り出たことで、英メディアの注目を集めている。

「レンデルシャムフォレスト事件」は、1980年12月26日、英サフォーク州ウッドブリッジ駐留米空軍基地近くの森「レンデルシャムフォレスト」の中で起きたとされるUFO目撃事件。午前3時頃、周辺の警備をしていた米兵たちが“奇妙な光を放つ怪しい物体”を見たという一件だ。このときの駐留米軍の調査では、「地面に不思議な模様があり、放射線の痕跡を残した」(英紙デイリー・メール)、「光が木の間を動いていた」(英紙デイリー・テレグラフ)とされたが、発見の一報から1時間後に現場にやってきた地元警察の捜査では、見えたのは数キロ離れた灯台の明かりだけだったそうだ。

この事件が英国で有名なのは、目撃したのが多数の米兵で、信憑性が比較的高いのではないかと見られているから。中には「円錐形の物体が木の上に浮いているのが見えた」という話や、「軍から口止めされた」と証言する人もおり、その注目度は米放送局CNNなどが当事者のインタビューを放送したり、英放送局BBCやヒストリーチャンネル、ナショナルジオグラフィックなどが検証番組を制作したことからもうかがえる。これがメディアや専門家が、長年にわたって真相を追い求めている「レンデルシャムフォレスト事件」の簡単な概要だ。

そうした中で、先日、突如として現れたのが「UFOは自分のトラックが燃えたもの」と告白した老人だった。

この老人は元エンジニアという66歳のピーター・ターティルさん。英紙サンにターティルさんが語ったところによると、ターティルさんが友人とともにトラックで自宅に帰る途中、問題の「レンデルシャムフォレスト」に入り、そこでトラックが壊れてしまったという。問題はその積み荷。トラックの荷台には盗んだ肥料が満載で、窃盗事件の発覚を恐れたターティルさんは証拠隠滅のために肥料に火を点けたというのだ。

すると、「トラックの車体はアルミで出来ていて、肥料と一緒に燃えると、とても変わった色の炎が上がった」(サン紙より)そうで、米兵が見たという“奇妙な光”との整合性を主張。さらに、ターティルさんは銃を持つ米兵の存在を確認していて、「彼らに関わって欲しくなかった」ため、燃える車体を引っ張ったという。「たぶん森の中では、それできれいに回っているように見えたのだと思う」と語り、「宇宙船じゃなかったんだよ」と、騒動は自分の責任とばかりに告白している。

一方、告白を受けて「レンデルシャムフォレスト事件」を調査している専門家のブレンダ・バトラー氏は「私には、彼が何を言っているのかわからない」(デイリー・テレグラフ紙より)と、ターティルさんの告白に疑問を投げかける。バトラー氏は「現れた多くの目撃者を『嘘つき』にするなら、もっと多くの証拠を挙げるべき」と続け、根拠の乏しさを指摘。そして、「なぜ証言するのに、29年も待ったのだろうか」と、今このタイミングでの告白に理由を見出せないとしている。

また、この話題を伝えているデイリー・メール紙電子版には多くのコメントが寄せられているが、UFO否定派の人もいるものの、多くはターティルさんの証言の信憑性を疑うものだ。「バトラー氏の意見はもっとも」と専門家の意見に同調したり、「ターティルさんの顔は、人を食った顔だ」と、複数の英メディアに掲載された顔写真から人間性を判断する人も。ほかにも「肥料はそう簡単に燃えないのでは」など、さまざまな疑問の声が上がっている。「レンデルシャムフォレスト事件」が事実(?)なのか否かは、ターティルさんがさらに証拠を出せるかどうかがカギとなりそうだが、英国では有名なミステリーだけに、その真相をめぐる議論は今後しばらく続きそうな気配だ。

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