彼氏と別れる理由は公務員になったから? 中国のネットで怒りの声相次ぐ。

2009/09/01 20:59 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


ブログやSNSに書いた何気ない一言が引き金となり、大きな問題に発展するケースはよくあるが、それは日本でも中国でも同じこと。つい先日、中国で起きたある“炎上事件”は、単なる男女の別れ話が、いつの間にか多くのネットユーザーを巻き込む騒動に発展してしまった。中国人にとって人気の職業である「公務員」が話の中心となっていることが、可燃性の高い“燃料”となってしまったようだ。

中国紙「華商報」によると、問題の発端となったのは、ハンドルネーム「人民公務員」と名乗る女性のネットへの書き込み。彼女はウェブサイト「華商論壇」に「私は公務員に合格しました。(彼氏である)あなたは、もう私にはふさわしくありません。同僚の前で恥をかきたくないのです。新しい人生のために……本当にごめんなさい」といった内容のコメントを残し、彼氏への別れ話を持ち出した。

中国のネットユーザーはこの書き込みにすぐさま反応。「頭がおかしい」「そんな考えの人間が公務員になるな」といった彼女への批判が殺到するとともに、中には“人肉捜索”(=個人情報をウェブで検索し、特定すること)で「(本人を)捜し出してやる」と脅迫じみたコメントまでも見られるようになった。そうした批判意見に対し、彼女自身反論を試みているが、キリがないと思ったのか、3度ほど返答した後、姿をくらましてしまう。本人もこれほど“炎上”するとは、想像もしていなかったようだ。

とは言え、盛り上がるネットユーザーとは裏腹に、肝心の彼氏は彼女の通告に納得しているという。現地紙の記者が彼氏と思われる男性とコンタクトを取ったところ「みんな、彼女を責めないで欲しい。悪いのは僕。(公務員に)受からなかったのは僕なのだから」と語り、彼女を責めるどころかかばっている。どうやら彼氏も彼女と一緒に公務員試験を受けており、彼女は採用、彼氏は不採用と、不幸な結果となってしまったようだ。

中国では公務員の人気は絶大だ。中国で公務員になるためには国家公務員採用試験に合格しなければならず、表面上はコネやズルが使えないこと、景気に左右されない安定性と将来性があること、職種や部署、地位によって待遇は異なるものの、月々の給料以外にさまざまな手当(住宅積立金、奨金、食事手当、旅行費、フィットネス費など)が受けられることも人気の理由となっている。

それだけ人気の職種だけに、2009年の国家公務員採用試験の合格率はわずか1.75%と、かなりの狭き門。試験に合格した女性の書き込みに強い“エリート意識”がにじみ出ているのも、背景にこうした中国の公務員事情があるためだ。また、公務員に対する中国人の憧れやねたみも、“炎上”に拍車をかける理由となってしまった。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.