女性にとって、日々の身だしなみのひとつであるメイク。多くの人は家族や友だちのアドバイス、雑誌やメディアで伝授されるプロアーティストの方法などを参考に、自分なりの“メイクの仕方”を確立させているのではないだろうか。しかし、プライベートのとき、仕事のとき、結婚式のときなど、シーンによって“メイクの仕方”を変える必要性が生じる場合もあり、どれが自分にとって良い“メイクの仕方”なのかを悩むこともあるだろう。そうした悩みを抱える女性たちに数々の“メイクの仕方”を伝授するべく、YouTubeに実践動画を公開し続け、米英はもとより、世界から注目を浴びている女性がいる。

この女性は英国ニューキャッスル・サウスシールズに住む27歳のローレン・ルークさん。ルークさんは、昨年まではパートナーの男性と11歳の息子との3人でアパートに暮らす、ごくごく普通の女性だった。いじめに遭い、友だちもいない学生時代を過ごし、15歳のときに妊娠して学校を中退。16歳にして1人息子のヨルダンくんを出産し、その後はさまざまな仕事をしながら生活をしてきた。

しかし、「やりたい仕事をしよう」と一念発起してメイクの学校に通い始め、昨年初め頃から自分の顔をキャンパスに、いろいろな“メイクの仕方”を撮影した動画をYouTubeに投稿。たちまち女性のネットユーザーから注目を浴びる存在となる。

「panacea81」のハンドルネームで投稿されたいくつもの動画は、「結婚式向けのメイク」や「バレンタイン向けのメイク」のほか、有名歌手や女優を真似たものまで多岐に渡る。動画の撮影はルークさんの自宅アパートで行われ、ベッドルームの机の上にビデオカメラをセットして、一つ一つ化粧品を紹介し、説明を加えながらメイクをしていく。

基本的に撮影された動画は、ルークさんの背後にある洗濯物や犬も隠すことなく、プライベート空間の雰囲気が十分に伝わってくるものだ。例えば、ブリトニー・スピアーズのメイクを実践する動画「BRITNEY SPEARS I’M A SLAVE 4 U Make up inspired look」では、途中で息子のヨルダンくんが部屋に入る様子も映し出され、終盤には犬の寝息と思われる音も聞こえるほど。そうした飾らない空間の中で、ルークさんはカメラに向かって丁寧に“メイクの仕方”を指南する。

ルークさんが公開している動画の再生回数は、総じて10万回を突破。100万回や200万回を超える動画があることからも、ルークさんのメイクを参考にしている女性が多いことがうかがえる。

「世界中の人が5,400万回視聴」（英デイリー・メール紙より）、「彼女のYouTubeのチャンネルには、70か国の25万人が登録している」（米ニューヨーク・タイムズ紙より）と、米英のメディアからも熱視線が送られているルークさん。すでに“ネットスター”の枠を飛び越え、ニンテンドーDS向けのゲーム「Supermodel Makeover」の監修を手がけたり、テレビ番組の出演交渉も進められているという。

さらに、米化粧品メーカー「SEPHORA」とタッグを組み、「BY LAUREN LUKE」というブランド名のメイクキットの販売（※現在は米国内のみ）もスタート。メイクアップ・アーティストとして、そして実業家として、すっかり有名な存在となった。こうしたさまざまな契約により、手にした財産は「100万ポンド（約1億5,400万円）」（デイリー・メール紙より）とも伝えられている。

ネット時代だからこそ生まれた新たな「美のカリスマ」。ルークさんの挑戦はまだ始まったばかりだが、その勢いは遠からず日本にも届き、名前を目にする機会も増えるかもしれない。