旧東独の国民車「トラバント」が電気自動車で復活へ、9月にお披露目。

2009/08/17 14:35 Written by Narinari.com編集部

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ベルリンの壁が崩壊する前の旧東ドイツで、1957年から1991年までの34年間製造されていた国民車「トラバント」が復活することになった。環境面への配慮が全くない“非エコ”な車だったことでも知られる「トラバント」だが、今回の復活では電気で駆動する“エコ”な車になるという。

今回の復活プロジェクトは、ドイツの複数の企業からなるコンソーシアムによって進められているもの。現在はまだプロトタイプの段階で、9月にドイツで開催されるフランクフルトモーターショーでお披露目した上で、投資家から資金を募る。生産開始の目標は2012年と、市場に出るまでには少し時間がかかりそうだが、着々と「復活」への道筋はできてきているようだ。

新しい「トラバント」の特徴は、電気自動車という点と、屋根の上に太陽電池が設置されているという点。どのような仕組みで動くかなど、現時点ではまだ詳しいスペックは明かされていない。太陽電池から得られる電力は車内の空調調節などに用いられるもので、「太陽電池で動く」ということではないようだ。

旧「トラバント」は34年間で約300万台が製造されたが、旧西ドイツの車と比べると極端に時代遅れな車だったこと、排ガスを垂れ流すなど環境面への配慮が全くなされていなかったことなどが原因となり、ドイツ統一後に姿を消してしまった。その性能の悪さは、2007年に米タイム誌が特集した「全時代通じてのワーストカー50(The 50 Worst Cars of All Time)」にも選ばれたほどだ(※この特集では順位付けはされておらず、50台を選ぶ企画だった)。

しかし、2007年に独玩具メーカーのヘルパ社が「トラバント」のミニカーを制作・販売したところ、数十万台を売る大ヒットとなったことから、ヘルパ社は実際の車の製造計画を立案。製造を請け負ってくれるメーカーを探したところ、独自動車部品メーカーのインディカー社などが賛同し、コンソーシアムとして「トラバント」を復活させることになった。

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