人魚の目撃情報相次ぎ賑わう街、写真撮影に成功すれば約1億円の懸賞金も。

2009/08/14 12:05 Written by Narinari.com編集部

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上半身は人間、下半身は魚――。その描かれ方や物語の内容に違いはあれど、西洋、東洋を問わず、「人魚伝説」は古くから世界中に存在する。ただ、現代では「ジュゴンの見間違え」とされることも多く、また、存在を証明する確たる証拠もないことから、「空想の産物」というのが一般的な考え方だ。しかし、いま、イスラエルのある街で、複数の住民によって「人魚を見た」との目撃情報が寄せられ、ちょっとした騒ぎになっている。

騒ぎになっているのはイスラエル北部の都市ハイファ近郊のキリヤット・ヤム。地中海に面したこの街では、ここ数か月の間に、数十もの人魚の目撃情報が地元自治体に寄せられているという。また、地元議会のスポークスマンは「多くの人が『間違いなく人魚を見た』と我々に話し、それらは別々に目撃されている」(英スカイニュースより)と、現在の状況を説明している。

集まった目撃証言からわかったのは、人魚が現れるのは日没時の夕方だけ。姿は「半分が女の子で、半分は魚」、動きは「イルカのように跳ねまわる」そうだ。しかも、目撃者の誰もが「少女のように見えた」と語っていることから、人間で言えば10代前半から半ばくらいだと推測されている。

米紙ニューヨーク・デイリーニュースには、目撃者が地元メディアに語ったという証言が紹介されている。この目撃者は友人らと一緒に、砂の上に横たわる人魚を見たそうで、「最初、日光浴をしている人だと思ったんだ。でも我々が近付くと、彼女は水の中に消えてしまった。そのとき、彼女に尾があったからショックを受けたよ」とコメント。少なくとも一緒に居た5人は目撃しており、証言をした目撃者は「誰も信じられなかった」と、全員が自分の目を疑ったそうだ。

目撃情報がこの一例だけならば“うさん臭い話”や“見間違え”で終わるが、これ以外にも多くの目撃情報が寄せられたため、「キリヤット・ヤムでは人魚が見られる」と近隣の街でも話題に。すると人魚目当ての観光客も増え始め、現在ではキリヤット・ヤムの海沿いには、日没時にその姿を捉えようと、カメラを持った人で賑わいを見せている。この騒ぎに、地元議会もさらなる観光客の増加を当て込み、「人魚の姿を写真に収めた人に、100万米ドル(約9,600万円)を支払う」との懸賞金を設定。捕獲する必要はなく、写真でハッキリと人魚の姿がわかれば、懸賞金は支払われるそうだ。

目撃情報が相次ぎ、観光客が増え、地元自治体が懸賞金――と、どことなく日本の「ツチノコ」騒動にも似た今回の話。本当に人魚の写真が撮られれば世界的な大スクープとなるのは間違いないが、果たして……。

ちなみに、地元議会のスポークスマンは「私は存在を信じる」と話しているものの、懸賞金の支払い能力をメディアに問われると、「本当に人魚がいれば、多くの観光客がキリヤット・ヤムにやってきて、100万ドルよりもっとたくさんのお金を落としてくれる」(スカイニュースより)と、したたかな一面も見せている。いずれにしろ、キリヤット・ヤムの街の賑わいは、しばらく続くことになりそうだ。

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