楽観的な女性は長生き? 重大な病気のリスクが悲観的な女性より低い傾向。

2009/08/12 11:09 Written by Narinari.com編集部

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とかくストレスが多いと言われる現代社会。何がストレスとなるかは個々の受け止め方や環境によって違えど、悩みやイライラが決して身体に良いはずはない。そうしたストレスと身体の関係を探るべく、米国の研究チームが約10万人の女性を対象に、8年に及ぶ追跡調査を行った。その結果、ストレスを溜め込まないタイプと言える“楽観主義”の女性は、病死に対するあらゆるリスクが減ることが分かったという。

この研究は、米ピッツバーグ大学医学部のヒラリー・ティンドル助教授らのチームが行ったもの。研究チームは50歳から79歳の閉経した米国人女性97,253人に対し、健康状態と性格を判断する質問を実施した。調査では質問の答えを得点化し、その得点をもとに“楽観主義”と“悲観主義”に分類。そして、8年間の追跡調査でその後の健康状態を確認する……という手法が採られた。なお、今回の調査に参加した女性は、調査開始時点でガンや心血管障害を持たない人が選ばれている。

米専門誌「The journal Circulation」で発表された研究結果によると、“楽観主義”の女性は“悲観主義”の女性に比べ、心臓病にかかるリスクが9%低く、死に繋がるようなほかの病気にかかるリスクも14%低い数字が現れたという。“楽観主義”のほうが良好な傾向を示したのは糖尿病や高血圧、コレステロール値、抑うつ症状、肥満度指数など。「痩せている傾向」が現れていたのも“楽観主義”だった。

この結果に、研究を行ったティンドル助教授は「“楽観主義”が、こうした危険要因を低くする可能性はあるのかもしれない」(米放送局ABCより)と考えているものの、「楽観的な性格と病気の直接的な因果関係については現時点で不明で、今後の研究課題」との見解を示した。また、英放送局BBCは「楽観主義者は逆境に対処するのが上手く、病気になった場合には、より健康に気を使うかもしれない」と推測している。

今回の調査と直接関係はないが、英紙デイリー・メールは、カナダ・アルバータ大学の研究では、ムチ打ちの患者でも“楽観主義”の人のほうが、通常の人よりも3倍早く回復したとの結果を紹介している。反面“悲観主義”の人は、怪我から6か月経っても「完治していない」と感じる人が、通常の人に比べ約4倍も見られたという。

全体的に“楽観主義”のほうが健康面への好影響を示しているこれらの結果は、「病は気から」という言葉を改めて考えさせられるものと言えそうだ。

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