旅行をきっかけに絵画の才能が開花した6歳、英国中から注目を集める。

2009/08/03 08:36 Written by Narinari.com編集部

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持って生まれた才能は、気が付けば自分に大きな力となるが、逆に気付かぬまま埋もれる可能性もある。また、努力の積み重ねで花開く場合もあれば、ちょっとした偶然が大きく影響することも。才能を自覚できるというのは、それだけでもかなり幸せな話かもしれないが、英国では自身の絵の才能に、6歳で気付いたという少年が現れた。昨年5月、家族旅行で訪れた土地の風景に感銘を受けて始めたという水彩画は、大人顔負けの繊細なタッチが瞬く間に評判を呼び、メディアも大きく取り上げるなど、英国中の話題をさらっている。

英ノーフォーク州に住むキーロン・ウィリアムソン君は、時間があればテレビゲームをするほか、自転車で出かけてサッカーを楽しむという、ごくごく普通の少年。そんなウィリアムソン君は昨年5月に家族旅行へ出かけた。風光明媚な場所としても知られるコーンウォール州を訪れたところ、その美しい景色を目にしたウィリアムソン君は、母親に「絵を描きたい」とせがんだという。それまで特に絵に関心を寄せてなかったそうだが、旅行から戻ったウィリアムソン君の熱は冷めず、近くのギャラリーに通い絵の勉強を開始。すると、母親が「時速200マイル(約時速320キロ)のスピード」(地元紙ノースノーフォーク・ニュースより)と表現するほど、驚くべき速さで進化を遂げていった。

両親の友人で、夏休みの間にウィリアムソン君に絵を教えたというギャラリー経営者のキャロル・アン・ペニントンさんは当初、「小さい頃から知ってるけど、そんな才能があるなんて思いもしなかった」と話す。しかし、教えてみるとウィリアムソン君が、大人顔負けの繊細なタッチで水彩画を描き始めたことから、これにはペニントンさんも舌を巻いたようだ。また、数か月前に水彩画を教えたという地元在住の芸術家ブライアン・ライダーさんも、「この年齢で、ここまで描ける子供を見たことない」(英紙サンより)と絶賛。「彼に教えることなんてなかった」と、プロの芸術家ですらウィリアムソン君の才能をベタ褒めしている。

ウィリアムソン君本人も、今は絵に夢中なようで、学校へ行く前から夜明けとともに起きて作品の制作を始め、帰りにはペニントンさんのギャラリーにほぼ毎日立ち寄るという。「他のアーティストの作品を眺めても模倣するわけではなく、先々の作品の参考のために勉強している」と、ウィリアムソン君の熱心な様子をペニントンさんは明かしている。

ウィリアムソン君も絵に囲まれた生活が楽しくて仕方がないようで、「楽しくて、気分が触発されるので絵を描くのは好き」(英紙デイリー・メールより)とコメント。旅行先で才能に目覚めたのが運命であるかのように、風景画が一番のお気に入りのようだ。いまやウィリアムソン君の名前は地元でも評判となっており、先週末にはペニントンさんのギャラリーで個展を開いたほか、冬には地元の別のギャラリーでも個展を開催。順調に活動の領域を広げている。

まだまだ先の長い未来、夢はいっぱいに広がるウィリアムソン君。“目標の画家”には、同じノーフォーク州出身の画家エドワード・シーゴの名を挙げている。シーゴは現在のエリザベス女王の母親で、2002年に亡くなったエリザベス皇太后が熱烈なファンだった画家。そんなシーゴに近づきたいという思いからか、ウィリアムソン君はエリザベス女王へ自分の絵を贈ったこともあるそうだ。残念ながら女王からの返事はもらえてないものの、めげないウィリアムソン君は「チャールズ皇太子にも送るつもり」と、今は王室に自分の絵を認めてもらうことを目指している。

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