16年間洞穴に隠れ続けた脱獄囚、警察が「クロマニヨン作戦」決行し逮捕。

2009/07/31 23:11 Written by Narinari.com編集部

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映画「アルカトラズからの脱出」のモデルとなったフランク・モリスや日本の西川寅吉、白鳥由栄など、かつては後世に語られるような脱獄囚がいたが、近年は刑務所の監視体制が厳しいためか、こうした伝説的な人物は現れなくなった。その一方、家族の説得を受けて脱獄から1日で刑務所に戻った男(米国)、刑務所の仲間が恋しくなって自ら戻ってきた男(ブルガリア)など、さまざまな“ちょっと変わった”脱獄囚のニュースも報じられている。7月29日にポルトガルで逮捕された男も、そうした“ちょっと変わった”脱獄囚の一人だ。

ポルトガルに、刑務所脱走から16年にわたって逃亡を続けた男がいた。この男は1993年に殺人の罪を犯し、懲役10年の刑を受けて服役。しかし、同年に刑務所を脱走し、生まれ故郷であるポルトガル北部のビエイラ・ド・ミーニョ付近に潜伏しているとみられていたが、警察はこれまで男を発見できず、行方を追っていた。

足取りをつかめぬまま月日が流れ、脱獄から14年経った2年前、警察は確保に向けて捜査情報の洗い直しを開始したところ、ビエイラ・ド・ミーニョの洞窟で暮らしているとの情報を入手。逮捕に向けてさらに力が入る地元警察は、自然の中で生活する脱獄囚にちなんだ「クロマニヨン作戦」を立案した。地元を知り尽くす男に対し、時間をかけて徐々に包囲網を狭めていったようだ。

そして迎えた7月29日早朝、警察は洞窟にいた男を発見。男は抵抗したものの、所持していた銃は使わず、そのまま逮捕されたという。地元警察の話によると、ビエイラ・ド・ミィーニョ付近には洞窟が複数あり、3〜4つの洞窟を移動して警察を目をすり抜けていた模様。男は極力他人との接触を避け、ほとんど洞窟の中で身を潜めて暮らしていたという。

逃亡の間、おもに果物を自分で調達して食べていたとしているが、逮捕後には男の家族が食料や薬を渡してサポートしていたことも判明。警察は、逮捕時に「とても健康そうに見えた」(AFP通信より)と話しており、男も逃亡中は病院に行ったことがないと語っている。

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