人生の一大イベントとも言える結婚式。主催者は招待客を楽しませようとさまざまな工夫を凝らすが、米国のあるカップルは、教会の厳かな雰囲気の中、流れ出した曲に合わせて突然16人の友人らとともにダンスをしながら入場するというサプライズ企画を実施した。静かに登場を待っていた参列者も、華やかさに巻き込まれて大興奮。その様子が収められた動画が先週、YouTubeに投稿されると一躍注目を集め、欧米のメディアも大きく報じている。

この企画は、米ミネソタ州に住むケビンさんとジリアンさんのハインツ夫妻が、今年6月に地元の教会で挙げた結婚式で実施したもの。YouTubeに投稿された動画は「JK Wedding Entrance Dance」と題され、約5分にわたってその入場シーンが収められている。

動画は、結婚式の開始を告げるアナウンスが流れ、参列者の会話が止まり、静寂に包まれる場面からスタート。開いていた教会のドアが閉じ、入場曲であるクリス・ブラウンの大ヒットナンバー「フォーエヴァー」が流れ始めた。すると、「1、2、3、4」という掛け声とともにドアの前で式を手伝っていた男性2人が突然、持っていたパンフレットを紙吹雪代わりに上へ放り投げ、ダンスを開始。祭壇へと続く通路を踊りながら進み始める。

予想外の展開に当初は騒然とした参列者たちだったが、すぐに状況をつかむと、その声は歓声に変わり、曲に合わせて一斉に手拍子。その後も、次々と新郎新婦の友人たちが登場し、曲に合わせてダンスを披露しながら参列者の間を通り抜けていった。

曲が中盤に差しかかると踊っていた友人たちが集合し、左右に分かれた間から新郎のケビンさんが前転をしながら登場。参列者からはひと際大きな歓声が上がったが、ケビンさんは緊張か余裕がないのか、少し険しい表情でぎこちないダンスを披露した。ケビンさんと16人の友人は祭壇の前に進み、満を持してジリアンさんが登場すると、参列者はスタンディングオベーション。通路途中でケビンさんがジリアンさんを迎え、祭壇に上ったところで動画は終了している。

この動画はケビンさんが7月19日に投稿した直後に注目を集め、1日で数十万回の再生を記録。その人気を聞きつけ、同24日までにABCやCBS、USAトゥデイなど米国のメディアが相次いでこの話題を報じた。また、同26日には英メディアも報道し、メディアの注目によって再生回数も急増。7月28日現在で1,000万回を突破した。

さらにこの動画の影響は、入場曲「フォーエヴァー」のシングル売り上げにも波及している。英紙デイリー・メールによると、チャート外だったこの曲は「iTunes Store」のシングルチャート45位、「Amazon」のMP3チャートで41位に再ランクインしたという。また同紙は、7月25日にケビンさんとジリアンさん、友人らが出演してダンスシーンを再現した米NBC番組の動画も紹介。その話題性を大きく伝えている。

YouTubeには5万件近くのコメントが寄せられており、「人々の笑いと若者の革新的なエネルギーに涙が出た」など、ほとんどの人が感動しているようだ。メディアの記事にも「素晴らしい、最初から最後まで笑った」（デイリー・メール紙）、「本当に素敵、2人に幸あれ」（USAトゥデイ紙）、「私は70歳の老人だが、これは素晴らしい表現だと分かったよ」（シカゴ・トリビューン紙）など、各紙に数十から数百のコメントが並んでいる。

ケビンさんは「こうしてインタビューを受けているのも驚きだ」（CBSニュース）と話し、予想外の反響に驚いている様子。この動画を見た多くの人が2人を祝福し、幸せな気分になるのは間違いないようだ。