牛の尿から水素を抽出する装置を開発、容易な水素燃料の生成に一歩前進か。

2009/07/21 20:59 Written by Narinari.com編集部

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天然ガスや石油、石炭などの化石燃料に代わる次世代エネルギーとして注目される水素燃料。水素と酸素を化学反応させるときに生じるエネルギーを蓄え、燃料として使おうというものです。その副生成物は水であり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を発生させないとして、環境にも優しいエネルギーとして大きな期待をかけられています。

しかし、水素燃料の開発にはまだまだ問題点がたくさん。例えば原料となる水素をどうやって低コストで生成するのか、といった課題が挙げられます。どんなに素晴らしいエネルギーでも、お金やほかの資源をムダにはできません。また、火に近付けると爆発しやすいといった不安定な状態の物質をいかに安全に保存するのかという問題も残されています。

そういった問題点を解決できる可能性を秘めた装置を、米オハイオ大学の研究者が開発しました。ディスカバリー・チャンネルによると、この装置は牛の尿から水素を抽出し、燃料生成に使われるまでの間、安全に保存するというもの。

米国には4,000万頭以上とも言われる家畜がいます。大きな農場では処理にも困るであろう有機物を、燃料に作り替えてしまおうというアイデアです。排出された尿を集めるところからこの装置でできるため、手間がかからないのも大きなメリットと言えます。

この装置を使えば、牛1頭で、一般的なサイズの家19軒分の熱湯を供給できるとのこと。牛はたくさんいますから、装置の量産が可能で、さらに運用コストも抑えられるのなら、牛が将来新しいエネルギー源となる可能性は大きそうです。「牛歩」といわずに早足で進んで欲しいですね。

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