「先生が宇宙人にさらわれた!」学校側の過剰演出に保護者が激怒。

2009/07/19 20:53 Written by Narinari.com編集部

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近年は、子供の勉強に対する興味をいかに引き出すかが学校側に求められており、ユニークなアプローチが話題になることもしばしば。子供が楽しんで学べるよう、各学校の先生たちは知恵を絞っている。この状況は英国も同じようで、ある小学校では作文の授業中、児童たちの想像力をかき立てようとドッキリ演出を敢行。「宇宙人が来た」という内容で、地元警察も協力する大がかりなイベントだったが、学校側の意図に反して児童たちの恐怖心を煽ってしまい、保護者の怒りを買ってしまう結果となった。

ドッキリ演出を企画したのは、英バーゲスヒルにあるサウスウェイ小学校。英国では2007年から政府資金による文章向上支援計画「Everybody Writes」が実施されており、今回の演出も同計画の一環として行われた。国を挙げて取り組んでいるとあって、学校側が思いついた演出には地元警察も協力。警察は学校に駆けつけるだけでなく、強い光を発生させた後に「UFOの残骸」を校庭に置くなど、現実味あふれる演出を展開した。

学校側は児童たちに厚紙とアルミ箔で作られた「残骸」をたどらせ、文章を書く上での想像力を刺激。しかし、次の一手が行き過ぎてしまい、多くの子供たちにパニックを引き起こしてしまう。

イベントの仕上げに校長が「1人の先生が宇宙人に誘拐された」と発言したことで、話を信じ込んでショック状態に陥る児童が続出。イベント終了後の集会には誘拐された先生も参加していたものの説明が不十分だったようで、児童たちのショックを完全に払拭するには至らなかった。この話を知った保護者たちは「もっと現実的な話にできなかったのか」と激怒しているという。

ある保護者は、英紙デイリー・メール紙に対して「息子は本当に先生が誘拐されたと心配していた。息子は警察が来たのも見ているし、すべてが本当だと信じ込んでいた」とコメント。別の保護者からも「娘は泣きながら帰ってきて、先生が誘拐されたと私に話した。信じられないほど動揺していた」「息子は何日も眠れなかった」などの声が寄せられている。多くの保護者は、授業に関連したイベントであることを学校側がきちんと説明しなかったことを非難している。

これに対し、学校側は「すべてが順調で安全だったため、子供たちは安心していた。中には優れた文章を書いた児童もいた」との公式声明を発表。デイリー・メール紙の取材にも「故意に子供たちを動揺させたり、警戒させるつもりはなかった」と述べた。また、イベントに協力した地元警察は「協力は善意で行ったもので、児童たちが楽しく過ごせると思った」と弁明している。

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