投函から22年後に届いた手紙、昨年も79年遅れの配達で話題に。

2009/07/10 14:28 Written by Narinari.com編集部

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インターネットや携帯電話の普及で電子メールでのやり取りが頻繁になっているが、今なお手紙は重要な連絡手段のひとつ。手軽に、あっという間に届く電子メールとは異なり、人を介し時間をかけて届けられるため、手紙には重みを感じるという人もいるのではないだろうか。それだけに、郵便局には誤配や遅配がないよう注意してもらいたいところだが、1987年に出された絵葉書が、22年後の今年になってやっと宛名の人物へ届けられるという珍事が英国で発生した。

英ウォルバーハンプトンに住む64歳の女性ウェンディ・ボスワースさんは、ある日に届いた絵葉書を見て驚いた。差出人は、現在42歳の姪ジョアンさん。ギリシャから送られてきたその葉書には、訪れた島の素晴らしさなどがしたためられていた。一見、何の変哲もない旅行先からの便りに見えるが、ジョアンさんは現在アフリカのウガンダにある英政府機関で働いている。ジョアンさんが最近結婚して姓が変わっていることもあり、ウェンディさんは、不思議に思ったそうだ。

この絵葉書は、ジョアンさんが英オックスフォード大に在学中の1987年、旅行でギリシャのニシロス島を訪れた際に差し出したもの。22年の時を経ているため、絵葉書はボロボロの状態だった。ただ、当のウェンディさんは怒るどころかこのサプライズを楽しんでいるようで、ジョアンさんとも電話で冗談を言い合ったという。

これについて英郵便事業会社のロイヤル・メールは、広報担当者を通じては公式に謝罪した。ただし、通常の郵便物は追跡していないため原因は分からず、「22年間もわれわれのもとにあったとは考えにくい」との見解も伝えている。今回は国際郵便ともあって、一概にロイヤル・メールの責任とは言い切れないが、実は、同社は昨年にも79年もの遅配を行うという失態をおかしている。

昨年8月16日付の英紙デイリー・メールによると、こちらは1929年に英エセックス州からロンドンに送られたものだが、代理で受け取った人物たちは「これだけの時間が過ぎたにもかかわらず、届けてくれたことは驚きだ」「ロイヤル・メールが不足料金を請求しなかったのが不思議」と何とも寛容な態度。とはいえ、「彼らは手紙を配達するのが義務」とも述べ、ロイヤル・メールに対して紛失防止の対策を打つよう釘を刺している。

この時もロイヤル・メールは、それだけの間手元にあったとは考えにくいと話したうえで、「一番考えられるのは、手紙が再投函され、正しい住所に届けられたというケース」だという。2件とも大きな問題が起きなかったのは幸いだが、これだけの遅配が立て続けに話題になるのは珍しい。同社は原因究明にあまり積極的ではなく、受取人の反応も寛容なのは、国民性の表れなのかもしれない。

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