中国で初めての試み、障がい者中心のアニメ・マンガ製作会社が誕生。

2009/07/06 23:06 Written by Narinari.com編集部

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2005年10月28日の中国・広東省広州市を皮切りに、中国各地で設立されている「アニメ・マンガ産業発展基地」。2006年4月に国務院が「関于推動我国動漫産業発展的若干意見」を公布し、国としてアニメ・マンガ産業発展の支援を決定してからというもの、「アニメ・マンガ産業発展基地」の設立ペースは加速を続けている。それほど中国がアニメ・マンガ産業の発展に期待をかけている証拠だが、今年6月30日、そんな中国のアニメ・マンガ産業に新たな歴史の幕開けが訪れた。中国初の試みとなる、障がい者が中心になってアニメ・マンガ製作を行う会社が誕生したのだ。

「新華網」によると、「光音之翼」と名付けられたこのアニメ・マンガ製作会社は、去る6月30日、吉林省長春市で営業を開始した。「光音之翼」は「吉林省身体障害者連合会」や「長春市海天コンピュータ職業学校」など、いくつかの機関の助けを借りて設立された模様で、会社の責任者は耳と口に障がいを持つ女性、楊翠さん。従業員20数名も、楊翠さん同様、長春大学を卒業した障がい者だという。

楊翠さんは会社の開業式で「まず母校の長春大学に感謝します。大学が私に貴重な知識を授けてくれ、また、挑戦する精神を養ってくれました」と手話で語った。楊翠さんは長春大学特殊教育専攻本科でアート・デザインを学んだそうで、その知識と経験が今回の会社設立の原動力となったことを認めている。

「光音之翼」の業務内容は、アニメ・マンガの製作だけでなく、アート、広告デザインなど多岐に渡る。また、従業員には毎月最低1100元(約15.000円)の給料が支払われ、各種待遇も整っているそうだ。

現在、中国にいる障がい者の数は8,000万人以上。「光音之翼」の経営が順調に進めば、「アニメ・マンガ産業発展基地」同様、中国各地で障がい者が働けるアニメ・マンガ製作会社が生まれる可能性は高い。また、障がい者が抱える“ハンデ”が、作品の質を高めたり、まったく新しい作品を創造したりするきっかけとなる可能性もある。「光音之翼」がどのような作品を作るのか、期待して待つことにしよう。

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