愛妻のために老人が電動三輪車自作、足が不自由でも「愛妻号」でスイスイ。

2009/07/04 21:30 Written by Narinari.com編集部

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福祉用具のひとつである、電動三輪車という乗り物をご存知だろうか? 長時間あるいは長距離を歩くことが困難な高齢者や身体的な障害のある人を対象に開発された電動式の三輪車のことだ。今回紹介するのは、足の不自由な愛妻のために、自ら電動三輪車を作ってしまった中国のおじいさんの話。かつてはどこに行くにも杖が欠かせなかった愛妻は、今や電動三輪車ですいすいと移動し、アクティブな毎日を送っているという。「大河網」が伝えている。

74歳の張誠忠さんが作った電動三輪車は、車輪は自転車よりもずっと小さく、車台は低めで地面と9センチ程度しか離れていない。荷物用カゴのほかにライト、クラクション、電池残量表示が付けられており、重さはたったの20〜30キログラム程度。最高時速は15キロメートルで、1回の充電で張誠忠さんが暮らす街の半分以上の距離を走行することが可能だという。

張誠忠さんと電動三輪車の出会いは数年前のこと。脊髄の病気を患っていた愛妻は外出時に杖をついて歩かなければならず、その生活を不憫に思った張誠忠さんが「電気自動車を購入してあげよう」と考えたのがきっかけだった。しかしながら、お店で売られている電気自動車にはなかなか適したものが見当たらない。いつからともなく「自分で作ることができないだろうか?」と考えるようになったそうだ。

実はこの張誠忠さん。機械製造学校を卒業しており、機械にはめっぽう強かった。10年前には愛妻に“座れる手押し車”を作ってあげたこともある。今回は自宅の地下室を改造し、“加工工場”を設置。パソコンで設計図を学び、近くに住む電動自動車の修理工からいろいろと教えてもらいながら、製作に取り掛かったというのだから、気合いの入れようは半端ではない。そして、試行錯誤を重ねて半年が過ぎた頃、やっと今の電動三輪車のモデルが完成したそうだ。

今では当たり前のように電動三輪車に乗っている愛妻は「乗るようになって2年以上が過ぎました。よく『どこで買ったの?』と聞かれるのよ」と誇らしげに語っている。ちなみに、電動三輪車に付けられた名は「愛妻号」。その名が示す通り、長い年月をかけて築いてきた2人の“愛の証”と言えるのかもしれない。

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