米アリゾナ州でバラバラに光を放つ流星出現、美しさに市民が大興奮。

2009/06/30 15:17 Written by Narinari.com編集部

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「現れている内に3回願い事を唱えると、その願いが叶う」と言われる流れ星。そのほとんどが、大気圏での摩擦で3回唱える暇がないほどあっという間に消滅してしまう。しかし、大きいものはより明るい「火球」となり、一部は地表に落下して隕石となる。この火球の目撃例は多々あるが、6月23日に米アリゾナ州に現れた火球は、形が崩れバラバラになっていったそうだ。また、照明のような明るさを放ったほか、青や緑の光に包まれていたそうで、詳細を伝えるブログにも多くの人が目撃証言を寄せ、興奮に包まれている。

米科学専門サイト「ライブ・サイエンス」は、アリゾナ州南東部のツーソンを中心に目撃されたこのドラマチックな火球について、「バラバラになりながら青や緑の光を放ち、長い尾は赤みがかっていた」とする天体専門ブログ「Transient Sky」の筆者によるコメントを紹介。また、1992年10月に米東海岸に現れた火球「ピークスキル」に酷似していると指摘した。

今回出現した火球については残念ながらしっかり動画に収めた人がいないようだが、「Transient Sky」では、地元テレビ局の防犯カメラに映った14秒あまりの動画を公開中だ。この動画はモノクロ撮影で、色については確認ができないが、4秒あたりから少なくとも3つに分裂して落ち、強く発光している様子が捉えられている。

「Transient Sky」の筆者カール・ヘルゲンローザー氏は、目撃された6月23日から火球に関するエントリーを更新し、分析を重ねている。同25日のエントリーでは、ツーソンから約60キロ南のホプキンス山にあるホイップル天文台の全天空カメラが捉えた写真を掲載。火球は午後9時21分15秒あたりから出現し、約9秒後の写真はあまりの明るさで全体が白くなっている。ヘルゲンローザー氏は「満月に匹敵する明るさ」と評しており、この観測記録から独自に火球の移動経路も推測した。

また、同サイトが情報提供を呼びかけると、州中心部のフェニックスの女性から「グレープフルーツくらいの火の玉が落ちるのを見た。それは黄色がかった青い色で、怖かった」、南ツーソンで見たという男性から「1分くらい低く響く音があって、それから光って見えた。音は東のほうから聞こえたようだ」などの目撃談が寄せられている。

多くの人が火球の明るさだけでなく色についても言及しており、「青」や「緑」とする意見が多いが、「金のように輝く」「黄色や赤」とする人も。目撃者のほとんどが「花火のように美しかった」「とても運が良い」とのコメントを寄せるなど、今回の火球の出現を喜んでいるようだ。6月27日のエントリーでは、ヘルゲンローザー氏が、さらなる情報や画像の提供を呼びかけており、新たな発見を期待したい。

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