超先進的? 試験目前に控えた中国で恒例のカンニング機“大売出し”。

2009/06/25 21:55 Written by Narinari.com編集部

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去る6月20日、21日の2日間に渡り催された中国大学英語試験「CET(College English Test)」。中国教育部(日本の文部科学省に相当)の高等教育司が主管しており、中国で実施されている英語能力試験の中では、最も権威のある試験のひとつとして知られている。就職活動の際にはCETの試験結果の提示を要求されることも多く、毎年数百万人が受験しているという。その試験を目前に控えた6月中旬、『解放網』は「カンニング機がネットで公然と販売されている」と報道。中国では試験期間中だけでなく、年がら年中カンニング機が販売されているため、決して目新しい話題ではないのだが、驚かされるのはそのバリエーションの豊さであり、また技術の進歩である。

6月18日付けの中国紙は、今年から一部の大学ではパソコンを使った試験を導入しており、「カンニング機の使用が難しくなっている」と伝えていた。それに呼応するがのごとく、カンニング機を販売するネットショップは「カンニング機を使えるのは今年で最後!」と大々的に宣伝。他社よりも多くの顧客を集めようと宣伝合戦が繰り広げられた。

あるネットショップでは、超小型受話器型、電子ベスト型(シャツに仕込む形式のカンニング機)、腕時計型(ショートメッセージカンニング機)、超小型イヤホン型など、多種多様の機種を紹介。機能も詳細に紹介されており、値段も100元(約1,400円)程度から2,000元(約28,000円))以上と実に様々だ。

そんな中、注目を浴びているのが「第三世代メガネ型カンニング機」。値段が4,800元(約67,000円)もする高額カンニング機だが、商品を扱うネットショップでは「独占輸入! 現在、世界で最も新しいカンニング機」と紹介されている。梱包内容はメガネ2式、レシーバー2個、パソコン1台。受験生と作業者(外で待機)がそれぞれメガネをかけ、受験生がメガネに備え付けられた極小カメラで問題を撮影すると、それが外に転送される形式となっており、専用のパソコンで受信が可能になるとしている。また、作業者が転送された問題について解答すると、今度はそのデータが受験者のメガネに転送されるようだ。50キロ以内の距離なら送受信可能というのだから、本当ならばかなりの性能であろう。試験会場の環境などによって若干効果は異なるそうだが、中国のカンニング機の技術進歩には驚かされる。

また、中国ではこの時期、カンニング機だけでなく、身代わり受験も話題となる。6月16日、ハンドルネーム「mj8525」が「身代わり受験をすれば絶対合格」というタイトルの宣伝文句をウェブサイトに掲載。「これまで約1000人の身代わり受験を担当し、ほぼ全員がCETに合格した」と述べている。また、身代わり受験者の求人募集もしており、待遇には「高額支給、安全保障」と謳われていた。

地元紙の記者が身代わり受験や、カンニング機を販売する業者に“さくら“取材を行ったところ、業者は「最近はパソコン受験が増えている。もしパソコン受験が完全に浸透した場合、身代わり受験しかない」と語ったという。また「3,000元(約42,000円)出せば、あなたと似ている人物を全国から探し出し、身分証を偽装し、必ずや合格してみせましょう」と豪語したそうだ。「中国のカンニングビジネス、恐るべし」といったところだろうか。

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