心臓発作の治療に音楽が効果的? 音楽による心拍&血圧変化の応用提案。

2009/06/25 14:20 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


音楽は人の心に興奮や安らぎを与えますが、生理学的に見ても「心」臓に影響をもたらすという実験結果が、アメリカ心臓協会(the American Heart Association)発行の論文誌に発表されました。

音楽がもたらす血圧と心拍の変化を研究したのは、パヴィーア大学(イタリア)のルチアーノ・ベルナーディ教授。実験対象となった人々に心電図、血圧計、脳内動脈血流モニター、そして末端血管の緩和/収縮を観測する機器などを取り付け、音楽を視聴したもらったところ、音が徐々に強くなるクレッシェンドの部分では、心拍と血圧の上昇がみられ、音が徐々に弱くなるデクレッシェンドの部分では、逆に下降が観測されました。

さらに、テンポの速い/遅い音楽でも、心拍と血圧の上昇/下降が観測されたそう。また、音楽が一旦止まる(小節休みなど)時に至っては、音楽を流す前に観測された呼吸数や心拍、血圧の値よりも低い結果が出ることもあったとか。

これらの観測結果は、音楽には精神的な効果だけではなく、生理的な効果があることを示しています。音楽を聞いた時の感情変化を経験したことがある人なら、なんとなく理解できるところでしょう。

血圧や心拍をコントロールすることは、心臓発作を発症した後のリハビリ治療にとても重要。今までは薬品や、体内の電解質を安定させるなどの治療に頼っていましたが、音楽がもたらす効果もこのリハビリ時に利用出来るのはないかと、ベルナーディ教授は提案しています。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.