通学中の少年に隕石が落下、奇跡的にかすり傷で済み「いまは科学に夢中」。

2009/06/14 10:48 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


交通事故や高い建物からの落下物、雷など、自分が注意していても巻き込まれてしまう事故は少なくない。外を歩く行為自体がリスクを伴うということになるが、少しでも災難を避けるため、各事故例の原因を探って参考にしたいところだ。こうした中で、少年に隕石が当たるという事故がドイツで発生した。少年は奇跡的にかすり傷だけで済んだが、果たして今後の教訓になるだろうか。

隕石に襲われたのは、ドイツ西部エッセンに住む14歳のヘリット・ブランク君。英紙デイリー・テレグラフなどによると、ヘリット君は通学中に空から「光の球体」が自分に向かって飛んでくることに気付くと同時に左手の甲に痛みを感じ、その直後には雷のような爆発音に巻き込まれた。道路には直径1フィート(約30センチ)ほどのクレーターができ、そこに赤く焼けた豆粒ほどの石があったという。同紙はこの隕石の落下速度を時速3万マイル(約4万8000キロ)以上と推定している。

隕石の多くは地球の大気圏で燃え尽きるが、同紙にコメントを寄せた専門家は、仮に残ったとしても9割近くが海に落ちると説明。豆粒大とはいえ消滅せずに陸へ落ち、なおかつ人に当たることは、きわめて珍しい事例だ。英紙デイリー・メールは、隕石が人に当たる確率を「1億分の1」と伝えている。

同紙によると、過去にさかのぼっても隕石が人に当たった報告例は非常に少なく、しかも生存した例は1954年の米国人女性のみ。この女性はアラバマ州の自宅で就寝中、屋根を突き破った重さ4キロの隕石に襲われたが、幸いにも負傷しただけで済んだという。同紙はこのほか、1650年にイタリア・ミラノの修道士、1674年にスウェーデンの水夫2人が隕石に襲われ、いずれも死亡したと紹介している。

史上2人目の生存例となったヘリット君、隕石が地表に衝突した際の爆発音が何時間も耳に残ったとその衝撃の凄まじさを語っているものの、事故のショックは受けてない模様。それどころか、この事故をきっかけに学校の先生から隕石の魅力について教わり、科学に夢中になっているようだ。

「世界一安全な乗り物」である飛行機の事故率は100万分の0.81(2008年度、国際航空運輸協会調べ)、宝くじで2億円が当たる確率が1000万分の1で、隕石に当たる確率はそれ以上。そのうえ、かすり傷だけで済んだことなどを考えると、ヘリット君は「1億分の1」以上の強運の持ち主であることは間違いないだろう。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.