実の家族を捜して15年、SNS「Facebook」を活用して感動の再会を果たす。

2009/06/06 19:42 Written by Narinari.com編集部

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若年層が不特定多数と知り合うきっかけになることから、一部で問題視されているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。見知らぬ人と交流をするのは悪いことではないが、目的を間違えて使用する人がいるために、サービス提供各社も対策に力を入れている。しかし、英国ではSNSによって、かつて養子に出された男性が、実の家族を探し出したことが報道された。SNSの“陽”の側面として注目されている。

実の家族と再会したのは、イングランド南西部ウェーマスに住むリチャード・マークスさん。リチャードさんは実母キャロル・ホリッジさんが19歳の時に誕生したが、当時すでに2人の子供がいたため、生活苦を懸念したキャロルさんはリチャードさんを生後3日で養子に出してしまった。

養父母や兄とともに幸せな生活を送ったリチャードさんだったが、養父母から養子であることを打ち明けられていたため、18歳の時からマンチェスター地域にいるという実の家族と再会するべく、手がかりを探し始めたという。

その後、社会福祉事務所の協力を得て、実姉のアンドレア・ロツニャクさんもリチャードさんを探していたことが判明。しかし、それからの手がかりが全くつかめず、捜索は難航。2年前に社会福祉事務所へ届けた手紙も、実を結ぶことはなかったそうだ。こうして手をこまねいたまま15年が経過していったが、最終手段としてリチャードさんはSNSのFacebookを活用することを思いついた。

リチャードさんは、姉の名前を頼りに、Facebookを通じてマンチェスターに住む何十人もの人へ「私はあなたの弟ではないですか」というメッセージを送信。この目論見が見事に的中し、姉のアンドレアさんとのコンタクトに成功した。その後、実母キャロルさんとも電話で話し、「2時間半泣き続けた」ほどの感動を味わったようだ。

また、リチャードさんの少年時代、お互いの家が3キロほどしか離れていなかったことも判明した。リチャードさんは「これまで何回もきっかけはあったのだろうが、われわれは互いを見つける方法が分からなかった」と語っている。さらに、養父母へ「最高の少年時代を送った」と感謝し、キャロルさんが養子に出したことについても「非難するつもりは全くない」とも語ったリチャードさん。15年間を費やして探し当てただけに、いまはただ素直に再会を喜んでいる様子だ。

実は、英国では先日も、父親によってハンガリーへ連れて行かれた男性を実母の妹がFacebookで発見し、27年ぶりに再会を果たしたことが話題になったばかり。英メディアは、今回のことを「またしてもソーシャルサイトによる奇跡の再会」として報じている。今後、生き別れた家族を発見する手段として、SNSを活用する方法が普及するかもしれない。

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