授業中のケータイを注意された生徒、直後に校舎4階から飛び降り自殺図る。

2009/05/27 19:14 Written by Narinari.com編集部

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生活の必需品とも言える携帯電話。今や大人だけでなく、小学生や中学生が持っていても何ら不思議ではない時代だ。しかしながら、携帯電話が急速に普及するにつれ、携帯電話が“引き金”となる事件も増えている。今回、中国・南京で起きた事件では、本当に些細な携帯電話の使用が、子供の命を脅かすことになった。「一事が万事」ではないが、こんなことも「起こり得る」ということを知っておくとよいかもしれない。

事件が起きたのは5月25日午前、南京のある中学校の教室内だ。授業中に携帯電話の着メロが鳴り響いた生徒に対し先生が怒り、「親を呼んで相談する」と注意したのがすべての発端だった。その生徒は親を呼ばれることを恐れたのか、教室のあった4階の窓から飛び降り自殺を図ったのだという。生徒はそのまま隣の工場の屋根に落下。当時、学校2階の事務室で新聞を読んでいた職員の話によると、外で「ガンッ!」という大きな音が1度鳴り響いたそうだ。外を見てみると、工場の屋根に大きく空いた穴のそばに生徒が横たわっており、搬送先の病院で一命を取り留めたものの、身体の至るところを骨折する重傷を負うことになった。

地元紙はこの事件をフックに、小中学校への携帯電話の持ち込みは利益よりも弊害が多いと論じている。その理由として挙げられているのが、「小中学生は比較的自制心が弱いため、携帯電話を授業中に使用する可能性が高い。そのため先生の授業の質を低下させる」「携帯電話は新モデルがすぐに発売されるため、子供たちの虚栄心を刺激し、携帯電話の機能やデザインについて無駄に張り合うようになる」「SMS(ショートメッセージサービス)やチャットで授業中に連絡を取り合うことで学業に影響する」「カンニングに使用される恐れがある」などなど。

子供たちに携帯電話を持たせることは、GPS機能で子供たちの居場所を確認できるなど防犯に役立つ側面があるのも事実だ。現に犯罪に巻き込まれた小学生が携帯電話を使って無事に救出されたという事件もかつてあった。良い面と悪い面を持ち合わせているだけに、日本と同様に中国でも、まだしばらくは携帯電話の学校持ち込みについての議論が続きそうだ。

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