10か月前に失踪したチワワを1300キロ離れた場所で発見、無事飼い主に戻る。

2009/05/14 12:49 Written by Narinari.com編集部

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ちょっと目を離した隙にペットがいなくなった――。犬や猫を飼う人なら、そうした経験をしたことがあるかもしれない。ちゃんと戻ってくれればよいが、一度飼い主のもとを離れてしまうと、そのままいなくなるケースもしばしば。そうしたときに役立つのがマイクロチップだが、実際にマイクロチップが活躍した例を、米地方紙ゲインズビル・サンが報じている。10か月前に失踪した米フロリダ州に住む男性の飼い犬が、自宅から809マイル(約1300キロ)離れたオハイオ州で見つかり、無事に戻ってきたという。

感動の帰宅を果たしたのは、フロリダ州在住のロバート・バートマンさんが飼っているオスのチワワ、チャチ。チャチはバートマンさんの母親が飼っていた犬で、母親が自動車事故で亡くなった後、バートマンさんが引き取り、可愛がっていた。ところが昨年7月、バートマンさんが同じフロリダ州に住む親類を訪ねた際に、チャチは突然姿を消してしまう。いくら探してもチャチは見つからず、バートマンさんは新しくメスのピットブル(アメリカン・ピット・ブル・テリア)を飼い始めたそうだ。

チャチがいなくなってから10か月が過ぎた先週、プエルトリコに住むバートマンさんの祖母に1本の電話が入る。連絡したのは、米オハイオ州にある動物愛護センター。チャチの肩甲骨の間に埋め込まれたマイクロチップから、登録された連絡先を調べたのだった。

連絡を受けた祖母は、発見された場所を聞いて絶句。バートマンさんが住むフロリダ州とオハイオ州は1300キロも離れ、何の縁もゆかりもないことから、相当混乱したようだ。1300キロといえば、日本の東京−熊本に相当する。チャチは、10か月間でこの距離を移動したのだ。

自らオハイオ州まで歩いたのか、それとも誰かに運ばれたのかは不明だが、動物愛護センターの職員はチャチを発見した際に「十分に栄養を取っていたように見え、健康だった」としている。

歯や爪の手入れをしてもらい、飛行機でフロリダ州に帰ったチャチは、空港でバートマンさんの姿を見ると、おりの中をひっかいて興奮したという。初めて会ったピットブルのベイビーガールともすぐに仲良くなったそうだ。

国は異なるが、英保険会社の調査によると、英国内で過去5年間にペットの犬や猫が行方不明になり、無事飼い主に戻ってきたケースは55%で、行方不明のままが32%。残りは死体で発見されている。自ら迷子になるだけでなく、盗難されるケースも少なくないようだ。チャチの例もあるように、マイクロチップの埋め込みはこうした悲劇を防ぐ有効な手段と言えるだろう。

日本での埋め込み費用は5000円前後で、地域によっては自治体が助成金を支給する試みも始まっている。動物愛護の観点から否定的な意見もあるが、迷子になった際には大きな手がかりになるだけに、ペットを飼育している方は導入を検討してみてはいかがだろうか。

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