バスで盗難に遭った女性、乗客全員を車内にとどめ自ら身体検査実施。

2009/05/10 22:47 Written by Narinari.com編集部

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中国のバス車内で貴重品を盗まれた女性が、その場にいる乗客全員の身体検査をするという事件が起きた。このような被害に遭遇した場合、日本も中国も一般的には泣き寝入りする場合が多いだろうが、中にはこうした“例外”が起きることもある。

夕刊紙『銭江晩報』によると、事件が起きたのは5月6日午前、淅江省杭州市の公衆バスの中でのこと。乗車後しばらくして自分のカバンから小物入れがなくなっていることに気付いた暁玲(仮名)は、「私の小物入れが見当たりません。バスには泥棒がいます!」と大声で叫んだ。彼女の話によると、小物入れの中には「携帯電話と300元(約4400円)ぐらいが入っていた」そうで、バスに乗車する時、小物入れを入れたバッグのファスナーが開けられたらしい。しかし、いつ小物入れが盗まれたかは、彼女も正確にはわからないという。

この時、すでにバスは動き始めていたため、女性運転士は次のバス停で車を停め、バスのドアをすべて閉め切った。暁玲の通報を受けた警察官は現場に着くと「このような類似事件はかつてあったが、処理のしようがない」という。警察には乗客の身体検査をする権利がないためだ。すると暁玲は「私が乗客の身体検査をする」と主張。一部の乗客からはたちまち不満の声が漏れたが、大部分の乗客は賛成し、結局車内で身体検査を始めることとなった。

当時、車内には60人近くの乗客がいたとのこと。率先的な乗客は、自らポケットや荷物の中身を暁玲に見せたが、身体検査に不満を持つ乗客は「自分の不注意で盗まれたくせに、関係のない乗客に時間を浪費させるとはどういうことだ」と怒り心頭。にも関わらず、暁玲は容赦なく、1時間半かけて約60人全員の身体検査をおこなった。乗客は身体検査を終えた者から、その場から次々と“解放”されていったという。しかし、結果的に肝心の小物入れは発見できず。暁玲の気まずさはよほどのことであったろう。

ネットでは、彼女の行動に対して「当然だ」「勇気がある」などとの賛成意見も少数見られるが、そのほとんどが否定的。「やり過ぎ」「もし自分が身体検査をされたら裁判に持ち込む」「本当に盗まれたのだとしたら、犯人は既に下車しているに決まっているだろ」と彼女の行動は中国人にも受け入れがたいようだ。

このような行動は、電車やバス内でスリの被害に遭遇したら、誰もが「やって確かめたい」と思う行動かもしれない。それを他人の迷惑を一切顧みずに「やりのけた」という意味で、何とも大胆不敵な人物と言える。

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