会社の状況や同僚への配慮など、何かと気を使いがちな有給休暇の取得。本来は自由に使える権利のはずだが、なかなか消化できないという人も多いのではないだろうか。そんな有給休暇の消化日数について、オンライン旅行会社のエクスペディア・ジャパンが日本や欧米の先進11か国の有職者を対象に調査した「エクスペディアレポート・国際有給休暇比較2009」を発表した。
この調査は、日本では今年3月31日、4月1日の2日間に20〜59歳の男女516人を対象に行われたもの。各国における有給休暇の平均付与日数と平均取得日数は次のようになっている。
☆各国の有給休暇状況(平均取得日数/平均付与日数)
フランス 36日/38日
スペイン 27日/30日
イタリア 25日/31日
ドイツ 25日/27日
英国 24日/26日
オーストリア 23日/27日
ニュージーランド 18日/21日
カナダ 17日/19日
オーストラリア 16日/19日
米国 10日/13日
日本 8日/15日
欧州では付与日数、取得日数ともに多いことが分かる一方で、日本の低さが目立つ結果となった。付与日数では米国を上回ったものの、取得日数は50%強にとどまっており、有給休暇を生かし切れていないと言えるだろう。平均取得日数は昨年の調査(8.4日)に引き続き、対象国中最低となっている。
また、有給休暇をすべて取得した人の割合はフランス79%、スペイン78%、イタリア77%など欧州が軒並み高いのに比べ、日本はわずか8%。2番目に低い米国(55%)にも大きな差をつけられており、なかなか有給休暇を消化できない日本の現状がうかがえる。
さらに、日本で「昨年と比べて有給休暇が取りやすくなったか」という質問に対し、「取りやすくなった」との回答が28.5%だった反面、「取りにくくなった」との回答が71.5%にのぼった。
「取りやすくなった」理由として挙げられたのは、「仕事が暇になった」41%、「会社が奨励するようになった」35%など。景気悪化の影響だけでなく、昔に比べて有給休暇取得が容易になっていることが示唆されている。
一方、「取りにくくなった」理由では「仕事が忙しくなった」が41%でトップだったが、「解雇の不安があるため」35%、「無給の休みを強いられた」15%と続いた。自由回答では、「リストラで負担が増えた」「派遣切りのため人手が足りない」とした人もおり、景気悪化の影響が有給休暇取得の状況に及んでいるようだ。