飲酒によって女性がきれいに見える「ビールゴーグル効果」、英研究者が否定。

2009/04/21 14:06 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


「ビールゴーグル効果」という言葉をご存じだろうか。男性がビールなどのアルコールを摂取すると女性がよりきれいに見え、性的欲求が高まる現象を指している。英国ではこの効果についての研究がたびたび話題になり、2005年にはマンチェスター大の研究グループよって、アルコール消費量や女性との距離などの条件を数値化し、効果の度合いを算出する数式まで作り出されている。ところが、今回はこの効果を否定する研究結果が医学誌ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・サイコロジーで報告された。

この研究を行ったのは、英レスター大のビンセント・イーガン博士ら。対象はバーやカフェにいた18〜70歳の男女240人で、半数がアルコールを摂取していた。酩酊の度合いを「リラックスして穏やか」「動きが鈍く、虚ろ」「にぎやかで表現が豊か」「はっきり酔っている」の4つに分類し、240人全員に17歳の少女10人の写真を見せ、その年齢と魅力についてどのように見えるか聞き取り調査を行った。この中には、13歳や20歳に見えるようデジタル加工した写真も含まれていたという。

その結果、飲酒していた女性は、写真の少女の年齢を推測する能力が低下。一方、飲酒をしていた男性では、デジタル処理を施した少女を含め、飲んでない人との差がほとんどなかった。また、面白い発見として「飲んだ人は飲まなかった人に比べ、全体的に写真の女性の魅力を過小評価していた」とイーガン博士は語っている。

さらに、被験者全員が少女たちの年齢を平均3.5歳年上に推測していたことから、イーガン博士は「ビールゴーグル効果の概念を覆すもの」とし、「飲酒をした男性が女性の顔を見て年齢認識に影響がなかったという結果は、男性の好みがアルコールで簡単に乱されないことを示唆している」と結論付けた。

このニュースを報じた英放送局BBCは、調査が行われた背景について触れている。それは、1990年代初めにビールゴーグル効果が盛んに取り上げられ始めた頃、未成年者との性交渉を行って告訴された男性が、飲酒を理由に未成年と気づかなかったとする言い訳をすることが多かったそうだ。今回の調査結果は、飲酒の有無にかかわらず年齢認識に違いがないということも明らかにしており、BBCは飲酒を理由に罪を逃れることを防ぐと期待している。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.