ロッテのバレンタイン監督が日本球界を憂う、選手の待遇改善促進を期待。

2009/04/01 10:32 Written by Narinari.com編集部

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第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で強さを発揮し、2連覇を果たした日本代表。ダルビッシュ有投手(日本ハム)に加え、米国での試合で活躍した岩隈久志投手(楽天)や青木宣親外野手(ヤクルト)らも米球界から注目を集めるなど、日本人選手の評価は確実に高まった。だが、日本人選手の米大リーグ挑戦が期待される一方で、こうした流れに千葉ロッテのボビー・バレンタイン監督は日本球界の行く末を危惧している。

現在は大リーグでプレーをする日本人選手が増え、世界の舞台で活躍する姿はファンを大いに楽しませているのは事実。しかし、同時に有名選手が日本で見られないという状況となっており、有力選手の引き留めは日本球界が抱える大きな問題だ。昨年、田沢純一投手がアマチュアからそのままレッドソックスと契約したことは、日本の野球関係者に大きな衝撃を与えた。

その際、バレンタイン監督は日本球界の反応に引き留めるための努力が足りないとの苦言を呈している。同監督は改善方法の1つとして、球団経営を改革して収入を増やし、選手の待遇を改めることによって引き留めを図るべきとの考えを披露。これにより、選手自身も日本でのプレーに期待することができ、球界全体で日本野球の魅力がを高まると語っていた。

さらに今回のWBC連覇により、バレンタイン監督は日本人選手のメジャー流出の可能性がより高まったと考えているようだ。3月30日にロイター通信のインタビューに答えたバレンタイン監督は「引退時に倍の金を稼げると分かっていれば、もちろん誰だって行くだろう」(ロイターより)とコメントし、球界改革の必要性と選手待遇の改善をあらためて訴えている。それは、自身の契約問題に重なる部分を感じたからかもしれない。

バレンタイン監督は1995年にロッテの監督に就任し、当時低迷していたチームをリーグ2位に押し上げたが、コーチ陣との確執などによってわずか1年で解任、ファンを大いに落胆させた。その後はメッツの監督を務め、2003年に再びロッテの監督に就任。2005年には日本一に導き、サービス精神旺盛な明るいキャラクターもファンから絶大な支持を得ている。

近年はロッテとの契約延長が注目されていたが、球団はバレンタイン監督との契約を結果にかかわらず今年いっぱいで終了することを決定。球団は同監督が年俸つり上げの材料に大リーグからの監督就任要請を利用したと判断したようで、この不信感が契約打ち切りの一因ともされている。

こうした経緯もあり、バレンタイン監督は日本の球団と選手の関係性についてはよく分かっているはず。大リーグの事情にも詳しいだけに、日本球界の現状は悲観的に見えるようだ。

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