アクセスするだけで日焼けが出来るウェブサイト、その正体はがん撲滅運動。

2009/03/30 17:11 Written by Narinari.com編集部

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「毎日仕事で忙しいアナタ、室内にいるばかりで肌は不健康になっていませんか。こんな時、このウェブサイトにアクセスするだけで、小麦色に日焼けすることが出来ますよ」。そんな触れ込みのサイトが、2か月前のオープン時から人気を呼んでいます。「Computer Tan」(//www.computertan.com/)という会員制のサイトでは、日焼けサロンのベッドに取り付けてあるような、紫外線を放出するライトをモニター上に再現。それにユーザーがアクセスすることで、オフィスにいながら肌を焼くことができるというのです。

また、パソコンのブラウザ上だけではなく、iPhone用のアプリケーションもダウンロードすることができます。となると、小さいながら手に持てる「UVライト」が実現するのですから、これまたスゴイことですね。

なんだか嘘のようなお話ですが、種明かしをすると……、本当に「嘘」です。

実はこのサイト、裏には真面目なチャリティー活動が絡んでいるのです。この「日焼けサイト」を作ったのは、英国のノッティンガムにある「カレン・クリフォード皮膚がんチャリティ財団」。財団の名の由来になっている女性は、2005年にこの病気の中でも特に悪性とされる「悪性黒色腫」が原因でこの世を去りました。そして、残されたご主人のリチャードさんが中心となり、「皮膚がん予防」のキャンペーンのための財団を設立したのです。

英国では、平均して毎日5人が皮膚がんのために尊い命を落としているそうです。今回の「嘘」のサイトを作ったのも、できるだけ人々に皮膚がんと、その原因となる紫外線の恐ろしさを知ってもらおう、というのが狙いでした。

しかし、サイトのデザインもよくできており、いかにも本物らしい。トップページの「無料おためしサービス」のボタンを押すと、まずUVライトの画像が現れます。しかしその後「Don’t be fooled - UV Exposure Can Kill(騙されないで、UV線はあなたを殺すことだってできるのだから)」とのメッセージが現れ、皮膚がんの症例を見せる画像が登場。この病気の恐ろしさを伝えています。ジョークを加えているものの、立派な目的があったわけです。

そのアイデアの奇抜さから、サイトを見た人が面白がったのは言うまでもありません。瞬く間にネット上でその存在を知られるようになり、アクセスの伸びは予想以上なのだとか。リチャードさんや財団にとっては活動内容を「人々の目に触れさせる」ことを狙っていたのですから、大成功だったと言えましょう。

これがきっかけとなって、皮膚がん予防に気をつける人々が増えるようになると良いですね。

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