マンUのファーガソン監督「5冠」獲得に弱気発言、カップ戦は運次第?

2009/03/20 21:37 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


サッカー、イングランド・プレミアリーグで首位を走り、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でもイタリアの強豪インテルを破って8強入りしたマンチェスター・ユナイテッド。エースのクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル代表)を中心とした破壊力ある攻撃と固い守備がかみ合い、今季も着実に結果を残している。その指揮を執るのが、就任24年目のアレックス・ファーガソン監督だ。

ファーガソン監督が「Red Devils(赤い悪魔)」の愛称を持つこのチームの監督に就任したのは1986年。90年代半ばには、当時若手だったデビッド・ベッカム選手(現ミラン)らをレギュラーに抜擢して思い切った世代交代に着手、99年には欧州で過去3クラブしか達成していない欧州CL、国内リーグ戦、国内カップ戦の3冠を獲得し、「クラブ史上最強」といわれる黄金時代を築いた。

その後、ライバルクラブのテコ入れもありタイトル争いに絡めないシーズンもあったが、まだ無名だったC・ロナウド選手や将来を有望視されていたウェイン・ルーニー選手(イングランド代表)らを次々に獲得。近年は再び欧州を席巻している。選手の見定めや育成に定評があるファーガソン監督は、こうしてマンUを最強チームへと導いた名将だ。

今季は、すでにクラブワールドカップと国内カップ戦(カーリング杯)の2冠を獲得しており、さらに3連覇がかかるプレミアリーグや2連覇が期待される欧州CL、もう1つの国内カップ戦(FA杯)で優勝する可能性が残されている。これらのタイトルをすべてつかむと5冠となり、世界でも単年での獲得タイトル数が史上最多となるため、世界のサッカーファンから注目を浴びている状態だ。

こうした中で、ファーガソン監督は英紙デイリー・ミラー対して「今季5冠を取れるとは思ってない」と意外な胸の内を明かした。その真意について、「カップ戦についてはベストな状態だけでなく、多くの幸運も必要になる。我々は勝ち進んでいる大会が多過ぎると思う」と語り、順調でありながらも運が勝敗を分ける大きな要素と考えているようだ。

その上で「一つ言えるのは、現在のチームは史上最強で、どの試合に臨んでも勝つ自信がある」とし、自負をのぞかせている。先日、国内リーグ戦でリバプールに思わぬ大敗を喫したものの、現在のマンUの強さは勝ちを確実に拾う堅実さ。ファーガソン監督の発言は、油断に対する戒めなのかもしれない。

レギュラーだけでなく控えもワールドクラスの選手を揃えているのは他の強豪クラブも同じだが、24年にわたって同じチームを率いてきたファーガソン監督という存在が、マンUにとって大きな強みになっているの間違いない。今回の発言は、そんなファーガソン監督だからこその自信の裏返しではないだろうか。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.