原監督の采配にカストロ前議長が疑問「キューバ国民でも間違いと分かる」。

2009/03/13 03:20 Written by Narinari.com編集部

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日本時間の3月16日から始まるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンドに向け、米国で調整中の日本代表。日本、韓国と2次ラウンド1組で決勝トーナメント進出を争う残りの2カ国はキューバとメキシコに決まり、13日に両国で行われる1次ラウンドB組首位決定戦の勝者が、日本にとって2次ラウンド初戦の相手となる。圧倒的な投打力を誇るキューバとの対戦が濃厚と見られているが、同国のフィデル・カストロ前国家評議会議長が、1次ラウンドの日韓戦を観戦したことを政府系サイト「CubaDebate」(//www.cubadebate.cu/)のコラムで明かした。

チェ・ゲバラらとともにキューバ革命を起こし、長期にわたって国家元首に君臨したカストロ前議長。昨年に体調を崩して政治の表舞台から遠ざかったが、キューバを訪れる友好国の政治家が挨拶に向かうなど、現在も隠然たる勢力を持つ人物だ。少年時代に親しんだことから野球に詳しいことでも有名で、キューバが野球大国になったことにもつながっている。

引退後は執筆活動を通じて自身の意見を伝えているが、今回はWBCへの関心について触れ、観戦したという1次ラウンドの日韓戦に言及。原辰徳監督の采配について疑問を投げかけた。カストロ前議長が指摘したのは、日本が1点を追う八回に1死一塁で中島裕之内野手(西武)に指示した送りバントについてだ。

このバントについてはすでに日米メディアでも論議の的となっており、韓国代表の林昌勇投手(ヤクルト)が韓国メディアに対して「助かった」と明かすなど国内外で注目されている。国営放送を通じて観戦したカストロ前議長も、野球を知る人間としてこのプレーに疑問を抱き、「日本の監督は2番打者―まぎれもなく素晴らしい選手―に、2死になるというのにバントを命じた。目の肥えたキューバ国民なら、少し考えれば間違いだと分かるだろう」とストレートに批評した。

同時にキューバ代表の南アフリカ戦についても触れ、緩慢なプレーがあったことを指摘。注意を促したうえで「日本代表の選手は素晴らしい。素晴らしい技術を持ったこのチームとの対戦を乗り越え、WBC優勝を成し遂げて欲しい」と述べている。

この論評は、カストロ前議長がメキシコとの1次ラウンド首位決定戦の勝利を確信し、2次ラウンド初戦での対戦が濃厚な日本を強く意識していることを物語っている。2006年の前回大会では決勝で日本に敗れて準優勝に終わったが、このときは日本の投手から本塁打を放ったことを称えたコメントをしている。

今大会では、カストロ前議長も日本に対する雪辱を意識しているのかもしれない。2次ラウンド初戦、キューバの予想先発投手は、球速164キロの直球が武器のアルベルティン・チャップマン投手。日本は松坂大輔投手(レッドソックス)の先発が予想されており、エース同士の対決となりそうだ。

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