日本人医師が救った7歳少女の命、超難度がん手術が「奇跡」の成功。

2009/03/11 13:49 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、ニューヨークの病院から、7歳の女の子が元気に退院しました。ヘザー・マクナラーマちゃんは、1か月前に長時間の外科手術を受けたばかり。しかも彼女の手術は、世界でも前例がひとつしかなかったという、大変難しいものでした。

入院前、ヘザーちゃんは腹部にベースボールほどの大きさのがん腫瘍をかかえ、このままでは確実に命に危険が迫っていたそうです。しかし腫瘍は胃、脾臓、膵臓、肝臓、小腸、大腸の一部を蝕んでおり、たとえ手術をしたとしても、果たして延命出来るかどうか。医師団は決断を迫られていました。

そこに助け舟を出したのが、日本人医師のトモアキ・カトウ氏。なんと、がん細胞に侵された臓器をいったん取り出し、腫瘍のみを取り除いた後、また彼女の体内に戻すという方法を提案したのです。この手の手術は以前フロリダで同氏が行ったのが、たったひとつの前例。しかもこの時の患者は成人女性だったそうです。果たして7歳の子供の体に、この手術は耐えられるのかどうか、これはある種の賭け。

それでも家族の同意もあり、ヘザーちゃんは先月、23時間の手術に臨みます。術中取り出された内臓の一部は腫瘍が取り去られた後、臓器移植の時のように低温で保たれ、彼女の体に戻る時まで保管されたそう。

残念ながら胃、脾臓、膵臓は手のほどこしようがないほど病巣が広がっており、残念ながら摘出することになったそうですが、胃は小腸の一部を使って再生することに成功。脾臓と膵臓の働きはホルモン治療などで補い、臓器移植のドナーを待つことになりました。

ヘザーちゃんが無事に退院できるまで回復したことに、病院関係者は、

「カトウ医師の決断と勇気に、敬意を表したい」

と、今回の手術の成功に感謝しているそうです。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.