全長わずか134センチ、60年代製造の世界最小自動車が英国で話題。

2009/02/07 18:50 Written by コジマ

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原油高と不況で世界的に自動車が販売不振に陥っている中で、ハイブリッドカーやコンパクトカーが人気を博している。日本でも昨年の年間売り上げで上位10車種中7車種を軽自動車とコンパクトカーが占めており、トヨタのハイブリッドカー「プリウス」も前年の19位から10位に躍進した。

海外でも燃費や駐車スペースなどの問題からコンパクトカーを求める声が強く、各メーカーはコンパクトカーに力を入れている。また、インドの自動車メーカー、タタ自動車が昨年発表した4人乗りの超低価格車「ナノ」が注目を浴び、米マサチューセッツ工科大(MIT)は折りたたんで重ねて収納できる2人乗りのコンセプトカー「シティ・カー」を開発した。環境面からも、今後はこうした自動車の需要が高まっていきそうだ。

こうした中で、世界最小自動車が英ロンドンにある世界の珍品を集めた博物館「リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット!ミュージアム」に展示され、話題を呼んでいる。1960年代に製造された3輪車で、全長134センチ、全幅99センチと、成人男性1人がやっと乗れるサイズ。重量はわずか59キロだ。

この車は、英ピール・エンジニアリング社の1人乗りオート3輪「ピール50」。63〜64年に50台のみが製造された。ヘッドライト、ワイパー、ドアはそれぞれ1つずつしか備えられていない。当時の販売価格は200ポンド前後(現在のレートで約2万7000円)で、現存する20台は3万5000〜5万ポンド(約480万〜680万円)で取り引きされているという。

「リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット!ミュージアム」は、米国の探検家で漫画家のロバート・リプリー氏が世界中で集めた奇妙なコレクションを展示する博物館で、名称はリプリー氏のベストセラーにちなんでいる。博物館は世界中に点在しており、英国では昨年、ロンドンのピカデリー広場にオープンしたばかりだ。

双頭の子牛、重さ3000ポンド(約1.3トン)のベルリンの壁、50万ポンド(約6800万円)分のスワロフスキーで覆われた「ミニクーパー」などとともに陳列されることとなった「ピール50」は、展示前にロンドンの街を走行。小さな車体がちょこまかと走る姿は、道行く人たちから注目を浴びたようだ。英紙デイリー・メールは、その様子を「まるでアニメ『ポストマンパット』の1シーンのようだ」と伝えた。同紙電子版のコメント欄には、読者から「かわいい」「欲しい!」「これは都市の移動にぴったりだ」などの声が寄せられている。

「ピール50」は英国の現道交法にも即した仕様で、特別な許可を得なくても走行することが可能だという。しかし、同紙は「事故を起こせば大惨事になることは確かだ」と付け加えている。

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