競泳フェルプス選手の大麻吸引疑惑にスポンサーも厳しい対応。

2009/02/06 19:00 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


米国で最も「尊敬される職業」といえば、弁護士や教師といった職業ではなく、ズバリ“スポーツ選手”です。子どもたちに努力の価値を教え、自分の能力ひとつを信じて頑張れば、自分の育った環境や人種の違いに関わらず必ず報われる……、というアメリカン・ドリーム的なメッセージを体現しているからなのかもしれません。

それゆえに、スポーツ選手は品行の良さが求められます。日本の芸能人やスポーツ選手にも同じような傾向が見られますが、米国のスポーツ選手も、その多くが文化人という扱い。社会の模範となる存在です。子どもたちが「自分も大きくなったらこうなりたい」と憧れる人々なのです。

昨年の北京オリンピックで金メダルを史上最多の8つ獲得し、同大会での最大のヒーローとなった水泳のマイケル・フェルプス選手も、もちろんこの「憧れ」と「社会的模範」の対象となる一人。これまでドーピングの疑いが全くなかったといえば嘘になりますが、度重なるテストで陽性反応が出たことはなく、さらに彼特有の屈託のない笑顔でクリーンなイメージを守ってきました。

ところがフェルプス選手が先日、ガラス製のマリファナ用パイプに口をつけ、何かを吸い込んでいる写真が英国のゴシップ系新聞にすっぱ抜かれてしまいました。そしてこの写真の信憑性を本人が認めたことで、全米水泳協会は今後、彼の大会出場資格を3か月剥奪するという処分を決定。彼がスポンサー契約を結んでいるケロッグ社なども、契約更新を無効にしました。本人はこの事実を重く受け止め、反省していると伝えられています。

しかし、この写真がどこで撮影されたのかということが、まだこれから大きな問題になってきそうなのです。先の英紙によると、写真は昨年の11月にコロラド大学のキャンパス内パーティで撮影されたものだそう。これが事実だとすると、学校の校内でマリファナを吸っていたことになり、その他の場所(自宅など)で使用した時よりも厳しい処罰になってしまうのです。裁判で有罪になると「前科」として取り扱われることもあると言います。

そうなると、彼の水泳人生にも影響が出てしまうことは明らか。その才能は誰もが認めるところですが、軽率な行動が大きな禍根として残るかもしれません。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.