「まことちゃんハウス」訴訟に判決、楳図かずおが「完全勝利」。

2009/01/28 15:12 Written by Narinari.com編集部

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楳図かずおの新居として建築された東京・吉祥寺の通称「まことちゃんハウス」の景観をめぐり、少し離れたところに住む“近隣住民”から起こされた裁判に判決が下った。裁判所は「景観利益を損なうものではない」と判断。原告側の主張を全面的に退ける判決で、楳図かずおの「完全勝利」となった。楳図かずおは判決を受け、「本当に春をちょっと皆さまより先に感じさせていただくことになりました」と喜びを語っている。

また、今後の近所付き合いの在り方については「無理なこだわりをするとややこしくなりますので、僕は僕の流れで、素直な感じでやっていきたい」とコメント。そして「無理矢理くっつくような、仲良しとかではなく、多少間を置くのも一つの仲良くする方法だと思う」「時間が解決してくれると思います」と、焦らずに、自然な形での近所付き合いを希望している。

この裁判は原告の“近隣住民”2名が、「まことちゃんハウス」の赤と白で構成されたストライプの外壁や、物見塔のように突き出た部分に「閑静な住宅街の景観を破壊する」「気色悪い」「乱痴気な建物」と不快感を示し、建築中から工事の中止を訴えていたもの。当初は建設差し止めの仮処分申請をしていたものの、東京地裁がこれを却下、さらに昨年3月に建物が完成したため、訴訟内容を変更して裁判が続いていた。

“近隣住民”が求めていたのは、大まかに次の3つだ。

1.景観を悪化させている赤と白のストライプの外壁を撤去すること。
2.撤去するまでの期間、毎月10万円を原告に支払い続けること。
3.「物見塔」の窓から外が見えないように目隠しをすること。

1と3は建築中止を求めていた段階の主張と大差はないが、2に関しては訴訟内容変更にともなって追加された主張だったため、「結局金が欲しいだけか」「ついに本性を現したな」「恐喝のようだ」と、ネットでは反発の声も上がっていた。

なお、楳図かずおが「赤と白のボーダー」にこだわる理由について、よみうりテレビの「情報ライブ ミヤネ屋」のインタビューでは、「赤と白は力強く、いつも元気をもらえる」「ボーダーはエネルギー」「ボーダーを見ていると気分が楽しくなって、『さあ、がんばろう!』って僕はそう思う」と説明している。また、自身は「手塚治虫のようになりたい」と願っており、高校生の頃に読んだ手塚治虫の「新宝島」に出てくる海賊が、赤と白のボーダーの衣装を着ていたことが、こだわり始めたきっかけになったという。

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