米州「メニューのカロリー表示義務化」にファスト・フード店反発。

2009/01/12 12:07 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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米国でも「New Year’s Resolution」といって、年の初めに一年の抱負を誓う風習があります。その中でも一番の人気は「ダイエットをする」。“肥満体国”と呼ばれて久しい国ならではの誓いなのですが、確かに1月はスポーツ・ジムも大繁盛。必死にランニングマシンで汗をかく人々がほかの月に比べて増加しています。もちろん2月、3月になるにつれてその数は少なくなっていくのですが……。

さて、ダイエットの大敵といえばファスト・フード。ここ数年のヘルシー志向の影響で、カロリーを抑えたメニューを提供するお店が増えたとはいえ、やっぱり脂肪分の高いフライド・ポテトやハンバーガーだって相変わらず存在しています。もちろんこうした食べ物をオーダーする人がいるから、お店も提供を続けるのでしょうけど。

それでも米国人の食生活が乱れているのは、栄養学に対する知識が足りないせいなのではないかと、行政では問題視しているところもあり、ニューヨークやカリフォルニアなどの州ではファスト・フードのお店に全メニューの、カロリーを含めた栄養表示を義務づけているそうです。それを見て消費者が、

「さすがにコレじゃ体に悪そう……」

と気づいてくれることが目的なのだそう。この義務化をマサチューセッツ州でも今後行おうとしているのですが、同州のファスト・フード店は大反発。アイスクリームの「バスキン・ロビンス」(=「サーティワンアイスクリーム」)や、ドーナツ専門店の「ダンキン・ドーナツ」は、

「すでに健康的なメニューも提供しているのに、店内での表示を義務化するのは、単なるファスト・フード店に対する、面倒な仕事の押し付け」

と今回の法案に良い顔をしていないそうです。しかし健康的とはいっても試しに一部メニューの栄養表で調べてみると、例えばバスキン・ロビンスの「オレオ・クッキー&クリーム・シェイク」は、サイズが「S」でも990キロカロリーもあります(その約半分が脂肪分から)。Lサイズにいたっては2210キロカロリーと、大柄の米国人にとっても1日に必要なカロリーがコレだけで賄えてしまえるという、驚異的なカロリー。

まさかこんなにカロリーが高いとは、消費者もすぐには気が付かないのではないでしょうか。

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