演出かやらせか、テレビ番組で紹介されたブログの「仕込み」が判明。

2009/01/11 10:33 Written by Narinari.com編集部

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テレビ朝日が1月10日に放送したバラエティ番組「情報整理バラエティー ウソバスター!」でやらせがあったと、ちょっとした騒動となっている。問題となっているのは、同番組内の、ネット(ブログ)の情報の真偽を確かめるというコーナーで、画面では該当する情報を掲載したブログを紹介。その“ネタ元”となっているブログが、以前から存在しているものではなく、番組側が「仕込んだ」ものであることが判明してしまったのだ。

コーナーの流れはこうだ。Yahoo!の検索画面が表示されたあと、“ネタ元”のブログの画面へと切り替わり、そこに掲載されている情報の真偽を判定する、というもの。あえてYahoo!の画面を挟んでいることから、「ネットで検索して探しました」感を演出する狙いがあったようだ。

取り上げられたテーマは「サケとシャケの違い」「つまようじにミゾがある理由」「セメダインの意味」「NEWSの意味」など複数にわたり、それぞれ別のブログが“ネタ元”として紹介されているのだが、実際にそれぞれのブログを見ると(※実在はしている)、エントリーの投稿日がすべて「12月10日」になっていたり、どのブログもエントリーの投稿数が1〜2つ程度だったりと、いかにも「番組のために作りました」という佇まいのブログばかりだった。

バラエティ番組であり、かつ取り上げた情報を「ウソ」と断じる番組の趣旨からすると、こうした「仕込み」は演出の範囲内とする意見もあるが、問題なのは、この番組を制作した会社「ノンプロダクション」が、かつてやらせ問題で打ちきりとなった「発掘!あるある大事典」の制作にも携わっていたこと。大きな波紋を広げた「あるある問題」以降も、視聴者に誤解を与えるような制作手法をとっている点も非難されている。

ちなみに、この一件でテレビ朝日を糾弾する声もあるが、同じような「ネットのサイトの情報を紹介する」というコンセプトのテレビ朝日のクイズ番組「爆笑問題の検索ちゃん」では、“ネタ元”のサイトに番組での紹介の可否をきちんと問い合わせていることから、今回はあくまでも制作会社側の判断によるものだと見られている。

同様に「ネットの情報を番組側が『仕込んで』問題になった例」としては、2007年3月12日にTBS系で放送された「HERO’S 2007 開幕戦」のケースが有名。この番組の中で、桜庭和志選手に対するネットの反応として5秒程度の「2ちゃんねる風」の掲示板のシーンが映し出されたのだが、「『通販さん』という名前が並ぶ板にも関わらず、格闘技を延々と語っている」「荒れやすい格闘技というテーマなのに、なれ合った口調で書き込みが続いている」「名前欄に書き込まれた『通販さん@賛成です』をGoogleで検索しても出てこない」などの不自然な点が多く、ネットで「やらせ」「ねつ造」の声が上がり、騒動へと発展した。

この騒動の際には「※これはイメージです」等の注釈を付け、演出であることを明らかにしているなら問題はなかったとの意見が少なくなかった。もし今回の「ウソバスター!」も同様の措置が取られていたなら、それほど問題視されることはなかったのかもしれない。ネットの情報を番組に取り込むのであれば、テレビ側はもう少し上手い“演出”をする必要がありそうだ。

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