「指導する側」のIPA職員がWinnyでウイルス感染、個人情報が流出。

2009/01/05 07:05 Written by Narinari.com編集部

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WinnyやShareなどのファイル交換ソフトでウイルスに感染し、パソコン内の情報を流出させるケースが後を絶たない。同じようなケースが相次ぎ報告されていることもあり、もはや新たな情報流出が起きたとしてもそれほど世間の関心をひくこともなくなってきたが、これまでファイル交換ソフトでの情報流出についてしきりに啓蒙活動を行ってきたIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の職員が、あろうことかWinnyでウイルスに感染。プライベートな情報をネット上にばらまいてしまい、大きな騒動へと発展している。

情報を流出させたのはIPAに勤務する33歳の職員。IPAの業務に関わる機密情報などは確認されていないが、かつての交際相手との「事に及んだ後の写真」や、結婚相手と結納を交わした際の家族写真などが流出してしまった。通常、ネットで大騒動となるのは、プライベートなエッチ写真や、機密情報の類が流出した場合がほとんどだが、流出情報自体にあまりインパクトのない今回のようなケースで大騒動となっているのは、「指導する側」のIPAの職員が日常的にWinnyを利用していたことが判明したという一点に尽きる。

流出した情報から、妻のサイトが突き止められたほか、職員がこれまでダウンロードしたと思われるファイルの名前(エロ系やソフト類)などが明らかになってしまった。

今回の職員による情報流出を受け、IPAは1月4日付けで「IPA職員の私物パソコンによる情報流出について」との文書をウェブサイトに公開。「当機構職員が自宅において保有する私物のパソコンでファイル交換ソフトを使用した結果、コンピュータウイルスに感染し、パソコン内の情報が流出したという事実を確認しました」「これにより、当該職員に関わる個人情報等や一部の公開画像が流出したと見られます。他方、これまでの調査では、当機構の業務関連の非公開情報は含まれておりませんが、さらに確認を行っているところ」だという。

そして「当機構は、情報セキュリティ対策を推進しており、ファイル交換ソフトの利用の危険性についてもかねてから注意喚起を行ってきたところです。今般このような事態が発生したことについて、陳謝申し上げるとともに、再発の防止に全力を尽くしてまいります」と、謝罪および再発防止を誓っている。

IPAはコンピュータウイルスやセキュリティに関する情報の提供やソフトウェアの開発補助などを行う、日本最高峰の情報処理関連組織。昨年12月22日には「年末年始における注意喚起」をサイト上に掲載し、「Winny等のファイル共有ソフトを介して、自宅に持ち帰った業務データが情報漏えいする事故も多数発生しています」と注意を促していた。

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