不況の波がペットにも、「ペット好き」な英国で捨てられる犬が急増。

2008/12/24 17:14 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「英国の夫婦は子供を全寮制の学校に放り込んで、ペットを身近に置いて手厚く可愛がる」という、英国人の家庭を風刺したジョークがあります。まさか、本当に自分の子供よりペットが可愛いというワケではないでしょうが、彼らの“ペット好き”を表したジョークです。そして、たくさんのペットの中でも、特に犬に対する愛情はほかの国と比べても深いと言われています。

その英国では今、ペット事情に変化が現れているというのです。世界的な不況の影響で、飼い主が世話を見切れなくなった犬が急増。そういった犬を引き取り、新しい家庭へ里子に出すというボランティア施設では、現在満員状態が続いているようです。

ロンドン市内でこのような施設を運営する、英国最大の犬愛護団体「ドッグ・トラスト」の所長リチャード・ムーアさんによると、

「昨年の今頃、収容していた犬の数は大体半分ぐらいですが、今は無事里子としてここを出て行く犬の数よりも、捨てられて入ってくる数のほうが断然多い状態です」

とのこと。英国では犬を飼うのに餌や保険、その他のコストで平均年200万円以上もかかるそうです。確かに生活に響いてしまう金額。涙ながらにペットとの別れを強いられてしまう家庭は多いそうです。そんな現状で「ドッグ・トラスト」のような施設は今パンク状態。さらに同施設は一般からの寄付金で一部の運営をまかなっているのですが、こちらも不況の影響で、次第に善意の寄付をしてくれる人が減っていると言います。

捨て犬は増える一方、彼らをケアするためのお金も足りない。この状態を懸念するムーアさんは、

「こんな辛い時世だからこそ、ペットで心を癒して欲しい。私も6匹の犬が家に待っていてくれるお陰で、帰宅した時に笑顔になれるのです」

と、ペットの里親になることを薦めています。

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