珍作映画を選ぶ「第5回蛇いちご賞」発表、「L」「スシ王子」が3冠。

2008/12/17 22:30 Written by コジマ

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日本映画界の賞レースはすでに始まっており、報知映画賞と日刊スポーツ映画大賞で滝田洋二郎監督の「おくりびと」が作品賞を受賞、日刊スポーツ映画大賞では監督賞にも輝き、今年度の本命とされている。

こうした中で、スポーツ報知が行っている毎年恒例の「蛇いちご賞」が発表された。この賞は、米国の最低映画賞「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」を参考に創設されたものだが、選考は同紙映画担当記者による座談会で選出し、授賞式も行われない。

昨年の同賞では、澤井信一郎監督の「蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜」が作品賞、女優賞(菊川怜)、新人賞(Ara)の3冠を達成した。この作品は「週刊文春」が行っている同様の賞「文春きいちご賞」でも1位に選ばれた。

5回目を迎えた今年は、大ヒットした「デスノート」のスピンオフ映画「L change the WorLd」が作品賞、男優賞(南原清隆)、監督賞(中田秀夫監督)、「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並」が作品賞、女優賞(石原さとみ)、監督賞(堤幸彦監督)の3賞をそれぞれ受賞し、最多受賞作品となった。

「L change the WorLd」について、選考に当たった映画担当記者たちは「主人公のL(松山ケンイチ)が派手なピンク色の車で逃げるFBI捜査官役のナンチャン(南原清隆)の場面。一瞬、編集ミスで違う映画が始まったか、と思うほどあぜんとした」(同紙より)などとしており、特に南原清隆の演技には「芝居も臭いし、松ケンが気の毒だった」と酷評。大林宣彦監督の「その日の前に」での演技も合わせて男優賞に選ばれている。

一方、「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並」については、「寿司(すし)の達人が握るのに寿司がまずそうだったのが気になった」「『おくりびと』は、チキンも白子も本当においしそうだったのに。『スシ王子』なんだから、小道具にも徹底してこだわってほしかった」(同紙より)と、俳優陣の演技よりも作り込みの甘さを指摘する声が多い。友情出演した石原さとみは「フライングラビッツ」も合わせての女優賞受賞、監督賞を受賞した堤幸彦監督は、同作品以外に「20世紀少年」や「まぼろしの邪馬台国」も手がけている。

このほか、男優賞には「パコと魔法の絵本」「トウキョウソナタ」に出演した役所広司、女優賞には「フレフレ少女」の新垣結衣、「隠し砦の三悪人」の長澤まさみも選ばれている。

ただ、今年は期待外れに終わった作品が少なかったようで、選考に当たった記者も「ド珍品は意外性が少なく、蛇いちご賞的には不作のような」(同紙より)と述べている。これから映画専門誌の「映画秘宝」と「映画芸術」によるワーストランキングや「文春きいちご賞」などが発表される予定だが、他のランキングではどの作品や俳優が選ばれるのか注目だ。

◎スポーツ報知「第5回蛇いちご賞」
◆作品賞
「L change the WorLd」
「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並」
◆男優賞
南原清隆 「L change the WorLd」「その日の前に」
役所広司 「パコと魔法の絵本」「トウキョウソナタ」
◆女優賞
新垣結衣 「フレフレ少女」
石原さとみ 「フライングラビッツ」「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並」
長澤まさみ 「隠し砦の三悪人」
◆監督賞
堤幸彦 「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並」「20世紀少年」や「まぼろしの邪馬台国」
中田秀夫 「L change the WorLd」

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