「米国に次ぐ第2の市場に」スパム缶が日本市場を強化、全国展開へ。

2008/12/11 17:41 Written by Narinari.com編集部

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ゴーヤチャンプルやスパムむすびなどの食材として、日本にもたくさんのファンを持つランチョンミートの缶詰「スパム」。でも、一般的に思い浮かべるイメージは、沖縄やハワイの料理に使われる食材というもので、広く家庭で愛されているとは言い難い。そうした状況を改善するべく、「スパム」を製造・販売する米ホーメルフーズが日本市場での販売を強化。伊藤忠商事とタッグを組み、全国で“より買いやすく、より手に取りやすい価格”で販売できる体制を整え、日本市場で本格展開することになった。

例えば、mixiの「SPAM」コミュニティでは1,700人を超えるファンが集い、活発な情報交換が行われるなど、「スパム」のコアな人気は誰もが認めるところ。缶詰のみならず、米国のサイトから「スパム」グッズを購入するファンもいるほど、一部の「スパム」人気は極めて熱い。ただ、すでに家庭料理の食材として定着している沖縄を除き、全国的にはなかなか「家庭で食べる」というところまでは浸透しておらず、輸入食材店や雑貨店、高級スーパー、ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」などに限定される“販路の弱さ”が課題とされてきた。

そうした状況を長年把握していたホーメルフーズは、潜在的なニーズの高い日本市場は「米国を抜く可能性を秘めている」と睨んでいたものの、これまでは「日本で十分なリソース、インパクトを持ってリリースできるタイミング」がなかなか訪れず、また、「日本市場は導入するのにお金がかかり、複雑な市場」との認識から、本格展開が遅れていたという。ただ、今回は国内に強力な流通網を抱える伊藤忠商事というパートナーを得たことで、まさに“満を持して”日本市場に乗り込むことになった。

具体的な本格展開のための施策は、大きく3つ。まず、日本向けに塩分量を変更した「減塩」タイプをメインに展開する。輸入食材店などで購入できた海外の一般的な「スパム」は塩分量が多く、これが「スパムは塩辛い」との印象を与え、「使いづらい食材」と敬遠する層を生んでいた。そこでホーメルフーズはレギュラータイプの食塩相当量を100グラムあたり3.6グラムから2.2グラムに減らし、日本人の味覚に合う味に改良。さらにレギュラータイプよりも塩分を20%カットしたバリエーションも用意する。日本での試食テストの結果では、従来品よりも新しい「スパム」を好む人が大多数を占めるなど、評判は上々のようだ。

次に、日本オリジナルのサイト(//www.spam-jp.com/)を立ち上げ、「スパム」ブランドの浸透を図る。同サイトでは「スパム」の製品やホーメルフーズの紹介とともに、「スパム」を使ったレシピやキャンペーン情報なども発信。料理研究家のケンタロウ(小林健太郎)を起用した「ケンタロウのLife with SPAMプロダクツ」のコーナーも開設し、シーンや食材に合わせたオリジナルレシピを紹介していく予定だ。また、同サイトでは「スパム」のキャラクター「スパミーくん」がナビゲートしてくれるほか、「スパム」関連のグッズも紹介していく。

さらに、2009年秋頃をめどに、テレビCMや雑誌広告も展開する。これまで派手な広告展開のなかった「スパム」だけに、広告での大量露出によってブランド認知が飛躍的に高まりそうだ。

日本での小売価格はレギュラーサイズで500円〜550円を想定している。具体的な販売目標などは明らかにしていないが、「日本市場が世界全体の中でも第2の市場になると考えている」とするなど、並々ならぬ決意で日本市場に取り組むという。

なお、記者会見では、定番の「迷惑メールの呼称であるスパムについて、どう思っているのか」との質問が飛んだが、ホーメルフーズ・インターナショナルのリチャード・A・ブロス社長は「ホーメルフーズとしては、『スパムが笑われようと、バカにされようと、それが口に乗って話してもらえる限りは気にしない』」立場だという。そして「スパムは2002年からの7年間、数量ベースで平均10.7%成長している。今年は35%の成長となっているが、これが迷惑メールのおかげかどうかはわからない」と、ジョーク(?)で会見を締めくくった。



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