不況の中に現れた天使? シークレット・サンタが現金を配って歩く。

2008/12/09 21:09 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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多くの人々が経済的に苦しい中で迎えることになりそうな今年のクリスマス。ホリデー・シーズンにたくさんのプレゼントを交換し合うことが習慣となっている米国では、この心がウキウキするはずの今の季節も、なんとなく気分が沈みがちの人も多いようです。

そんな暗い気分の中、人の真心が身に染みるようなニュースをおひとつ。ミズーリ州、セントルイス市内のバス停や医療クリニック、中古品店などで先日、サンタクロースの衣装に身をまとい、サングラスと白い付け髭で顔を隠した男性が、通りすがりの人々に現金を配っては「メリー・クリスマス」といって立ち去ったというのです。

混乱を招かないよう非番の警察官などのボランティアがエスコートする中、この男性は場所を変えては見ず知らずの人々に100ドル札のキャッシュを手渡していたそう。この日だけで総額20,000ドルも人々に寄付して歩いたのです。

この男性、身元がバレないように匿名を貫いていますが、なんでも同州カンザス・シティーにお住まいで、同市のほかに、今年はセントルイスをはじめとする他都市にも足を伸ばしてプレゼントを手渡していると言います。カンザスシ・ティーには以前、同様に毎年クリスマス近くになると町で現金を手渡す人物がいました。しかしこの男性は数年前に死去。この彼が亡くなる直前、次の「シークレット・サンタ」になってくれるよう名指しで頼まれたのが、今の“2代目”なのだとか。

“2代目”曰く、

「金融業界の破綻で、私自身も経済的には苦しい時期にあります。けれど、この『シークレット・サンタ』をやめるなんて、伝統を潰してしまうようで、とても出来ないのです」

身銭を切りつつも、人々の驚きと喜びに満ちた顔をみるのが、毎年の楽しみになっているそう。今回セントルイスで100ドル札を手渡されたある女性も、

「先週職場を解雇されてしまい、3人の子供の食べ物を買うことさえ出来ずに途方にくれていました。本当にサンタさんには感謝しています」

と語っています。


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