NHK「さんぷんまる」街頭取材で仕込み? 俳優出演認めるも「演出」。

2008/12/02 23:20 Written by コジマ

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各界の著名人が、自身の持つこだわりやさまざまな情報を「秘伝」として伝えるNHKの情報番組「大人のための3分教養講座 さんぷんまる」。当初は実験枠「番組たまご」で放送されていたが、視聴者の人気を受けて今年4月からレギュラー放送を開始した。ナビゲーターを務めるちんぷんまる(声:ピエール瀧)とかんぷんまる(声:荒川良々)が繰り広げるトークも、番組の魅力となっている。

そんな「さんぷんまる」の街頭取材で“仕込み”があったと、12月2日発売の写真週刊誌「フラッシュ」が報じている。同誌によると、街頭インタビューに答えた7人すべてが、いわゆる素人ではなかったという。

問題となっているのは、10月23日放送分のお笑い芸人ケンドーコバヤシが出演した「お父さんのための“夢のある答え方”」。「どうして男と女の人がいるの?」という子供の質問に対して「父さんと母さんが出逢うためだよ」と回答するなど、ケンドーコバヤシが「子供からの質問に対し夢を壊さず、適切に答える秘伝」を伝授した回だ。

街頭インタビューには7人が答えていたが、そのうちの1人であるAV男優は同誌に対し「エキストラの派遣会社から『サラリーマンの年齢層に合う人』ということで出演要請がありました。ほかの方々も派遣会社は違いましたが仕込みでしたね。前もって質問内容も知らされていましたので、面白おかしく答えるためにいろいろ考えました」と、仕込みであることを暴露。もちろん、番組内で「出演者は俳優です」などの説明はなかった。

NHK側は、同誌の問い合わせに「今回のケンドーコバヤシさんのコーナーは、全体が台本に基づくコントで、サラリーマンとしてインタビューに答えた人も全員が俳優でした」(フラッシュより)と、一般人へのインタビューではなく俳優を出演させたことを認めた。同局は「インタビューが、通常の街頭インタビューと誤解されないための説明が足りなかったと考えています」(同誌より)と釈明もしていたが、デイリースポーツの問い合わせに対しては、「台本のあるコント」(同紙より)として仕込みを否定している。

街頭インタビューでの仕込み疑惑と言えば、昨年4月に話題となったTBS系バラエティー番組「サンデージャポン」の秋葉原街頭インタビューが思い出されるが、NHKはこのときのTBSと同じく、今回の俳優出演を「演出」と捉えているようだ。

その一方で「フラッシュ」は、「さんぷんまる」がNHKの関連団体を介さず、外部のプロダクションに制作を依頼した「外注番組」であることに言及。同番組の制作を担当しているのは日本テレビが100%出資している子会社「日テレアックスオン」(AX-ON、旧日本テレビビデオ)で、NHKとの共同制作の形を取っている。

民放キー局と同じく制作費節減に追われているNHKでは、「さんぷんまる」のような外注化が進んでいるが、実際は丸投げに近く、チェックが行き届かないこともしばしばという。今回の仕込み疑惑は、こうした外注任せに一因があるとの指摘もされている。

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