ガンズが「ドクターペッパー」提訴へ、米4紙への謝罪広告掲載も要求。

2008/11/28 23:22 Written by コジマ

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前作のリリースから17年、制作発表から14年を経て、11月22日にようやく発売されたガンズ・アンド・ローゼズのニューアルバム『チャイニーズ・デモクラシー』。初回出荷のみで世界400万枚を超えるなど、今年最高のヒット作となることが確実となっている。元メンバーで現ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのスラッシュも、「よかった。長いこと待ったもんね」と喜んでいるようだ。

こうして世界中のファンが待ち望んだ『チャイニーズ・デモクラシー』だが、戦々恐々としたのが「ドクターペッパー」を発売している米飲料メーカーのドクターペッパー・スナップル・グループだ。同社は今年3月、『チャイニーズ・デモクラシー』が今年中に発売されるなら、スラッシュと同じく元メンバーであるバケットヘッドの2人を除く全米国民に「ドクターペッパー」1本を無料配布することを約束。ガンズを挑発するとともに、同社にとって良いプロモーションになるという戦略だった。

同作のリリースが年内に行われたことで、同社のマーケティング責任者は「この日が来るとは思っていなかった」としながらも、米国でのアルバム発売日である11月23日に公式サイトで無料クーポン券を配布し、約束を果たした。しかし、同日はアクセスが殺到して公式サイトのサーバーがダウン。多くの人が「ドクターペッパー」を手に入れられなかったようだ。

この「キャンペーン」について、ガンズのプロモーションでもあるとの説が流れていたが、ガンズ側はこれを否定。それどころか、「販促にガンズの名前を不正利用し、知的所有権を侵害した」として同社に謝罪と慰謝料を要求した。慰謝料の金額は非公表だが、謝罪の方法についてはニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ、USAトゥデイ、ウォールストリート・ジャーナルの4紙に全面謝罪の広告を掲載することを求めている。

ガンズ側は、同社の知的所有権の侵害はもちろんのこと、「ドクターペッパー」を全国民に配布するという約束が遂行されなかったことも重視しており、「われわれのファンをだました」と激怒。申し込み期間を延長し「約束」を遂行することも要求した。

プロモーションが成功し、約束を遂行することによって会社の「株」を上げたかに見えた今回のキャンペーン。同社はさらに拡大させようと企画していたが、サーバーのダウンとガンズを激怒させることによって、逆に評判を落としてしまったようだ。ガンズの代理人であるアラン・ガットマン弁護士は、今回のプロモーションについて「完全な大失敗」と評している。

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