街の至るところに落書きした女性、「SNSのアカウント名」で足がつく。

2008/11/28 21:07 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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芸術か落書きか。スプレー・ペイントなどで大きく壁に描かれたグラフティは、見る人によって意見が異なることでしょう。公共の場に勝手にグラフティを描くのは違法行為ですから、もちろん迷惑な話。かといって、グラフティ文化がなかったら、キース・へリングのようなアーティストは登場しなかったかもしれません。その良し悪しをめぐる議論は、米国でも難しい問題として捉えられています。

今回のグラフティにまつわるお話は、ペンシルバニア州のフィラデルフィアに住む女性が、迷惑行為を行ったとして処罰されたという話題。この女性は同都市の至るところ、100か所以上にスプレー・ペイントで落書きをしていました。その損害は10,000ドル以上と算出されています。

なぜそれらの落書きが彼女の仕業だとバレたのか。コレがちょっとトボけた話なのです。

彼女はアーティスト名を「自作」の横に書いていたのですが(この行為をグラフティ文化では「タギング」と呼びます)、これがソーシャル・ネットワークの「MySpace」で使っていたアカウント名と一緒だったため、警察の捜査ですぐに彼女だと判明してしまったそうです。家宅捜索をした結果、彼女の自宅からはスプレーの缶などが発見され、逮捕にいたりました。自分の作品に興味を持ってくれた人に「MySpace」のページも覗いてもらいたい。そんな意図があったのかもしれませんが、違法行為を行っているという自覚が完全に欠落していたようです。

フィラデルフィア市はグラフティに対して厳しい処罰を課しており、たとえ芸術作品として認められているものでも、許可なしに創作活動をしてはいけない、というスタンスを採用しています。この女性のほかにも、17歳の少年が同市の200か所以上に落書きをしたとして、起訴に踏み切ったケースがあるそうです。

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