11月14〜15日の日程で、米ワシントンに日米欧と中国などの20か国・地域（G20）の首脳が集い、開催された緊急首脳会合（金融サミット）。麻生太郎首相も渡米し、世界的な金融危機にどのように対峙していくのかなどが話し合われたが、このサミットの席でブッシュ大統領が各国の首脳から目を合わしてもらえず、また、握手もしてもらえなかったという寂しい一幕があり、その様子を伝えたCNNニュースの動画がYouTubeで100万回以上の再生回数を記録している。

この動画は「CNN Reports on President Bush - Where’s the Love?」と名付けられた約1分のニュース動画。各国首脳が上段と下段に半々に分かれ、上段の人たちが並び終わって整列しているところに下段の人たちが順番に入場してくるシーンで、下段の人たちが一言、二言、上段の人たちと会話を交わしながら、握手をしていく様子が映し出されている。全体的に、会場は和やかな雰囲気だ。

ところが、ブッシュ大統領の前後で入場している首脳が、上段の人たちと笑顔で挨拶しているにも関わらず、それに挟まれているブッシュ大統領には誰も見向きもしない。握手をしないどころか、視線すら合わせてもらえず、その様子をCNNニュースが繰り返し伝えている。キャスターも同情する有様だ。

米国は次期大統領への就任が決定しているオバマ氏ムード一色になっているとはいえ、ブッシュ大統領はまだ現職。そのため、8年間に渡って米国のトップを務めてきたブッシュ大統領に対する扱いがひどいとの声が、米国のみならず、動画を見た日本のネットユーザーからもたくさん聞こえてくる。かつて各国のイベントで陽気な姿を披露し（※それが批判されることも少なくなかったが）、また、小泉元首相との楽しげなパフォーマンスがたびたび報じられてきたブッシュ大統領が、誰からも相手にされずにうつむきながら歩く姿は、さすがに忍びないと感じた人が多いようだ。

ただ、その一方でブッシュ大統領がこれまで行ってきた失策の数々を攻め、「これは仕方ない」とする声も、YouTubeのコメント欄には溢れている。コメント数は延べ2,500件を突破しており、この動画をきっかけに、ブッシュ大統領へのさまざまな思いが噴きだしているようだ。